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【東京】

「災害弱者」どう守る? 「江東5区」大規模水害時 人口の9割避難

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 都東部の五区(墨田、江東、足立、葛飾、江戸川)でつくる「江東五区広域避難推進協議会」が二十二日に公表した大規模水害時の避難計画では、人口の九割以上の二百五十万人の域外への広域避難を打ち出した。避難場所の確保は難題で、さらに二週間以上浸水する地域にとり残されるかもしれない高齢者ら「災害弱者」を守る課題も。協議会は、災害時に地域住民同士で助け合う「共助」の必要性を訴える。 (神野光伸、加藤健太)

 「親戚や知人ら行き先を住民自らが確保してもらうことで二百五十万人の域外避難が可能になる。過去の災害レベルをはるかに超えた災害では、行政で対処しきれないことを理解してもらいたい」。協議会のアドバイザーを務める東京大学大学院の片田敏孝特任教授は協議会後の会見で強調した。

 計画では、荒川流域で三日間の積算流域平均雨量がおおむね五〇〇ミリを超える恐れがある場合などには、住民が隣県を含む域外に自主的に避難してもらうことを明記した。二百五十万人の住むエリアの水没が想定されるのに、公的な避難先の確保が見込めないためだ。避難先がない場合の緊急の対策として、建物上階に移動する「垂直避難」も記した。ただ、浸水が長引けば、避難者の居場所の把握が難しく、救助が遅れる恐れもある。

 七月の西日本豪雨では広島、岡山を中心に被害は広域にわたり、二百三十人近くの犠牲者を出した。多くは独居の高齢者で避難を促されても自宅にとどまり続けた人もいた。片田氏は「行動が困難な人たちを域外に全員逃すのは無理だろう」と指摘し、「域内にとどまらざるをえない場合の対処を進めたい」と語った。

 協議会では今後、計画の課題を洗い出しながら、域内の住民に避難計画の周知を図っていく。座長を務める江戸川区の多田正見区長は、「計画が有効に生かされるには、住民が計画をいかに理解し、行動に移せるかにかかっている」と述べ、行政主導ではなく、災害に対する住民の意識改革を求めた。

◆防災担当者らが講演 来月30日、足立でシンポ

 江東五区広域避難推進協議会が公表した避難計画を広めるためのシンポジウムが九月三十日午後二時から、足立区中央本町一の区役所庁舎ホールで開かれる。

 区の担当者が避難計画などについて説明した後、協議会のアドバイザーを務める東京大学大学院の片田敏孝特任教授が講演する。

 パネル討論では、気象予報士の井田寛子さんや内閣府の防災担当者らが登壇し、近年の災害の特徴や、身を守るために意識しておくことを紹介する。

 入場無料。定員四百人。在住在勤する区に事前に申し込む。五区以外の人も参加でき、申込先は足立区。

 

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