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【東京】

<つなぐ 戦後73年>広島の朝鮮人被爆者の被害 武蔵大生が朗読劇に

本番に向けて台本を読み込む学生たち=練馬区の武蔵大で

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 広島の朝鮮人被爆者の被害を語り継ごうと、武蔵大社会学部(練馬区)の学生たちが朗読劇を作った。二十六日に広島平和記念資料館(広島市)で発表する。朝鮮半島で非核化に向けた動きが高まるこの夏、日本人だけではなかった原爆の被害に光を当てようとしている。 (渡辺聖子)

 取り組んでいるのは、永田浩三教授のゼミでメディアについて学ぶ三年生十八人。朝鮮人被爆者の関係者の証言やインタビューをまとめた本を読み、印象に残った言葉を抜き出し、四十分ほどの作品に仕立てた。

 題名は「わたしたち朝鮮人がヒロシマで体験したこと」。日本の植民地政策によって祖国を追われるようにして来日し被爆した体験と、その後の差別や苦労を描いた。日本人と同様に被爆者健康手帳を交付するよう求めた裁判闘争の歴史や、帰国した被爆者に平岡敬・元広島市長が聞き取りした様子も盛り込んだ。

 朝鮮人という視点から知った歴史に衝撃を受けた学生は少なくない。脚本を担当した大谷ひかりさん(21)は、朝鮮人被爆者の存在について「今までなぜ知らなかったのかと羞恥心にかられた」と話す。

 朗読という形式をとったことから、大谷さんの提案で広島弁で語ることに。学生はみな関東出身のため、永田教授の知人で広島市出身の会社員太田恵さん(52)=さいたま市=に抑揚などを教わっている。指導を通じて「あらためて深く知ることになった」という太田さんは「ずっしりと心に残る体験になると思う」と学生の活動に協力する。

 助監督を務める内藤唯さん(21)は「広島の人たちに朗読劇が受け入れてもらえるのか不安もある」としながら、「私たちの世代でも原爆について考えたり、歴史を受け継いだりできるということを伝えられたら」と話す。

 

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