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【東京】

<東京人>江戸東京妖怪探訪 地名に息づく妖怪たち

怪談『番町皿屋敷』のお菊が、帯を引きずって逃げたところから名づけられたという帯坂

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 新宿区片町に合羽(かっぱ)坂とよばれる坂道があります。都営新宿線の曙橋駅の近く、靖国通りと外苑東通りが立体交差しているあたりの坂道です。

 坂の下を歩くと、歩道の植え込みになにやら奇妙な石のモニュメントが……。実はこれ、河童(かっぱ)なのです。

 昔はこのあたりに大きな池があり、夜な夜なそこから河童が遊びに出て、坂を通る人にイタズラを仕掛けたという話があるのです。そこから“かっぱ坂”とよばれるようになったのだとか。合羽の字は当て字で、意味合いとしては河童が正しいのでしょう。

 同じように、新宿区富久町の交差点から北へ向かう緩やかな坂にも、昔はおかっぱ頭の化け物、つまり河童がよく現れたので、禿(かむろ)坂とよばれています。

 こちらは蜘蛛(くも)切坂という別名もあり、源頼光の四天王として名をはせた渡辺綱(わたなべのつな)が、この坂に出没する蜘蛛の妖怪を退治した伝説も伝わっているのです。

 このように、東京には妖怪にまつわる伝説があちこちにあります。そして、合羽坂や禿坂のように、妖怪伝説を由来とする地名も、案外少なくないのです。

 例えば、世田谷区代田は、ダイダラボッチなる巨人の足跡があったことからついた地名と言われていますし、千代田区九段南四丁目と五番町の境に位置する帯坂は、怪談で知られる『番町皿屋敷』のヒロインお菊が、旗本屋敷から帯を引きずって逃げたことに由来します。

 普段、何げなく歩いている土地の名前も、もしかしたら妖怪が関係しているかもしれませんよ。 (村上健司)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、9月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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