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【東京】

<東京人>石に恋して 地球からの贈り物の「声」

明治29年竣工、辰野金吾が設計した日本銀行本店本館。1階部分は北木石、2、3階部分は白丁場石が使われている

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 普段の生活ではあまり気がつきませんが、東京のまちは、いたるところに石が建材として使われています。江戸城の石垣、そして日本銀行本店本館(明治二十九年竣工(しゅんこう))、三井本館(昭和四年竣工)、国会議事堂(昭和十一年竣工)など近代を象徴する歴史的建造物から、デパートの壁や床や階段、地下鉄の構内、住宅街の石垣、広場の敷石まで、意識してまちを見渡すと、その用途の多さに気づかされます。

 東京人十月号では、近代化とともに需要が増えた石に注目し、新しい視点での街歩き、石建築の見方を提案します。

 座談会で江戸東京博物館館長の藤森照信さんは、例えば辰野金吾は日本銀行本店本館を設計するとき、最高級の御影石「北木石」を使うことに断固こだわったなど、時代ごとの建築家が好んで使った石材とその理由を建築史の中で論じています。明治三十四年創業の矢橋大理石株式会社調達部長の矢橋晋太郎さんは、石は遠く、中くらい、近づいて見るのとでは見え方が違い、また直接触って質感を楽しんでほしいと、視覚に加えて触覚でのアプローチを推します。

 そして岩石学、地球科学が専門の名古屋市科学館主任学芸員の西本昌司さんは、石を見ることは地球の地殻変動の蠢(うごめ)きを知ることで、何億年という時間を経た地球からの贈り物に耳を澄ますと、その「声」(成り立ち)が聞こえるという何ともロマンチックな答えが。

 石建築はその重厚感が魅力のひとつですが、ときに固い口を開くようです。(「東京人」副編集長・田中紀子)

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 「都市を味わい、都市を批評し、都市を創る」をキャッチコピーに掲げる月刊誌「東京人」の編集部が、10月号の記事をもとに都内各地の情報をお届けします。問い合わせは、「東京人」編集部=電03(3237)1790(平日)=へ。

 

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