東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 9月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

内藤とうがらし 発祥の地・新宿御苑で復活

収穫期を迎えた実を前に感慨深げな「内藤とうがらしプロジェクト」の成田重行さん=新宿区の新宿御苑で

写真

 江戸時代、新宿の名産品だった江戸東京野菜の「内藤とうがらし」が今年、発祥の地・新宿御苑(新宿区内藤町)によみがえり、真っ赤な実をつけている。地元の高校の生徒らも栽培に成功し、商品化に挑戦している。 (宮崎美紀子)

 江戸時代、信州高遠藩内藤家の下屋敷だった新宿御苑。苑内の「とうがらし畑」では、つややかな赤い実が花束のように密集し、天を向いていた。「内藤とうがらしプロジェクト」のリーダー、成田重行さん(76)は「ここが内藤とうがらしが生まれた場所です。こんなに立派に育ちました」と感慨深げ。

 内藤とうがらしを復活させるプロジェクトは二〇一〇年に発足。今は区内の小学校や大学、都内の農家などで栽培されているが、「内藤」の地で露地栽培されるのは初めて。収穫した実は小学生向けの工作教室などで活用される予定だ。

 内藤町で、もう一カ所、御苑に近い都立新宿高校でも、生徒らによる研究チームが栽培を成功させた。

内藤とうがらしを栽培、分析している都立新宿高校の研究チームのメンバー=同区内藤町で

写真

 学校の花壇を占拠するように並んだ百五十のとうがらしの鉢。二年生の土井美亜さん(16)は「現役生と同窓会による研究チームで、栽培班と分析班にわかれて活動しています」と説明。

 研究チームがユニークなのは、単なる学習で終わらず、事業化を視野に入れていること。栽培班は実を使ったアクセサリーや薬味入れ、オリジナルブレンドのとうがらしなど数々の商品を開発。分析班はとうがらしの液を使った生ごみの防臭・除菌スプレーの製造を目指している。

 今月二十三日に学習院女子大学(同区)で行われる「とうがらしサミット2018」では新宿高校など約二十の学校や団体が研究成果を発表する。サミットは今年初めて一般に公開される。入場無料で、事前申込制。詳細は同プロジェクトのホームページで紹介。

<内藤とうがらし> 江戸時代、内藤家下屋敷(現在の新宿御苑)で栽培され、そばブームを追い風に人気に。近隣の農家も作り始め、全盛期は秋になると四谷から大久保まで真っ赤に染まったと言われている。宿場町の発展で農家が減少、さらに刺激が強い鷹(たか)の爪に人気を奪われ、衰退した。2010年、内藤とうがらしプロジェクトにより復活し、13年、江戸東京野菜に認定された。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報