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【東京】

品川区長選 30日投開票 羽田新ルートが争点

「ここで子育てができるのか」と不安を抱える牧子さん=品川区内で

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 三十日に投開票される品川区長選で大きな争点となっているのが、羽田空港のルート変更計画だ。国土交通省は、二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックまでに羽田空港の発着枠を拡大し、一部の便で都心上空を飛行させるルートを検討。それに伴い区内では、旅客機が高度三百メートルで飛ぶ地点もあり、住民からは不安の声が上がる。一方、空港利用者増加に商店街の活性化を期待する意見も聞かれた。 (山田祐一郎)

 「ここで子育てができるのか」。育休中の牧子郁子さんは不安を漏らす。新ルート案では牧子さんが住むJR大崎駅近くは、南風時の午後三時〜七時に一時間あたり十四便程度、三百五十メートルの高さを飛行する。騒音、大気汚染、落下物…。二歳半となる長男にどんな影響があるのか心配は尽きない。引っ越したくても、自宅の資産価値が下がり、思うように売れない懸念もある。

 昨年十一月、区内であった国交省の説明会に参加、質問を投げかけたが「大丈夫」の一点張りだった。「住民の不安な思いが伝わらず、残念な思いをした」

 区の担当者は、「羽田空港の機能強化については一定の理解を示しているが、新ルート案に対し、現状では了承や反対といった態度を正式には表明してない」と説明。区は住民への丁寧な説明や騒音軽減、落下物の安全対策について、国へ要望を続けている。牧子さんは「(区のリーダーは)区民の生活をわが事と考え、守ってくれる人でないと困る」と注文を付ける。

 「もともと電車や車が通ればうるさい場所。落下物も他の空港と比べ大きな問題とは思わない。飛行機が上を飛ぶのがウェルカムという人はいないが、ある程度はしょうがない」。JR大井町駅近くの商店主の男性が指摘する。付近は、上空三百メートルを旅客機が飛行することになる。国交省によると、騒音は現在の平均値六一デシベルが最大七七デシベルになる試算。電車の通過音と同レベルの大きさだ。

 それよりも空港増便を商店街活性化につなげられるかが課題だとし「空港利用者が増えたら、こちらの客が増えるわけではない。生き残りのための方策を示してほしい」と求める。

 区長選は、現職と新人二人が争う構図。新人の佐藤裕彦さん(60)は「品川の空を守る」と、国に羽田空港新ルート撤回を求める考え。新人の西本貴子さん(57)も、国の計画には反対の立場で「はっきりとノーと言えるのは私だけだ」と訴える。現職の浜野健さん(71)は、公約で「何よりも区民の安全・安心を優先する」との姿勢を見せている。

 

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