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【東京】

<ひと ゆめ みらい>街の魅力発信で恩返し 「日本一小さなパンまつり」仕掛け人・賀沢志帆さん=八王子市

地域密着のイベントを手掛ける賀沢志帆さん=八王子市で

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 「日本一小さなパンまつりです。どうぞお立ち寄りください」。JR八王子駅北口から西放射線ユーロードを五分ほど歩くと、明るい声が響いた。中心市街地の一坪ほどのスペースに、日替わりでさまざまなパン店が自慢の品を並べる「八王子一坪パンまつり」の仕掛け人として、呼び込みに精を出す姿がそこにはあった。

 「きょうは、どこの店のどんなパンが食べられるんだろう、とワクワクする」という買い物客。「新しいお客さんと交流できる」という店。どちらにも好評だ。

 イベントが行われたのは、市街地の活性化事業を進める「株式会社まちづくり八王子」が管理・運営するチャレンジショップ「はちチャレ」。ここで何かできたら面白いなと考えていたところ、都心などの日本最大級をうたうパンのイベントが目についた。

 八王子周辺の店のパンをはちチャレに集約させたらどうか。「日本一小規模なパンのイベント」だ。昨年三月にひらめき、実行委をつくって同年五月に初めて開いた。昨年十月と今年も十、十一月に開催。十月は昼すぎには売り切れるほどにぎわった。「この時期は一坪パンまつり」と言われるように定着させたいという。

 福島県いわき市出身。高卒後、専門学校に進み、八王子市に移り住んだ。「クリエーティブな人たちを手伝いたい」と、イベントの企画、運営を学び、いったんは前橋市内で就職したが、八王子が恋しくなり一年ほどで戻った。

 東日本大震災後、被災した故郷のため何かしたいと休みやすい仕事に転職。毎月いわき市に通い、古民家で地域活性化を手掛ける団体の手伝いをしてSNSで発信していたところ、八王子でもまちづくりに携わらないかと声がかかった。昨年春、「Shiho Product(シホプロダクト)」を設立、一坪パンまつりのような地域密着のイベントを手掛ける。

 八王子は、いわき市にどこか似ていると感じる。市街地やニュータウン、山々とさまざまな表情があり、街中も新旧の店、チェーン店、個人店と混在する。「本当に面白い街で、いつも楽しく歩いています。掘り起こされていない魅力もいっぱいあると思う」

 そんな八王子の街と人に育ててもらっていると、常に感謝している。「地域が発展し、住む人に喜びがあふれ、人生が豊かになる。そんなお手伝いができるよう、日々勉強して恩返ししていきたい」 (萩原誠)

<八王子一坪パンまつり> 八王子市中町の「はちチャレ」で6日まで開催。全国展開する大手から地元の老舗、新店まで、さまざまなベーカリーショップが日替わりで店を出す。午前10時開店で、売り切れ次第終了する。

 

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