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【東京】

2代目ピンクの象を追え 西荻の象徴、佐渡で余生

アーケードにつり下げられていたころの2代目のピンクの象

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 杉並区西荻窪のシンボル・ピンクの象。駅南口の「仲通街」アーケードにぶら下がり、40年以上、行き交う人々を見下ろしている。今の象は昨年春にお目見えした3代目だ。2代目は廃棄直前に命拾いし、新潟・佐渡島で「余生」を送っている。そんな2代目を紹介する展示イベントが、16日から区内で開かれる。 (渡辺聖子)

 ピンクの象が登場したのは一九七五年ごろ。店主らでつくる西荻南口仲通り会が、秋祭りのみこし代わりに造った。年に一度、山車に載せられ街中を練る以外は、アーケードにつり下げられてきた。平成の始まりとともに二代目が登場した。高さや長さは二メートル、重さは三十キロほど。笑っているような独特の表情で、昨年三月に役目を終えた際には落胆の声が上がった。

 「お別れ会」の後に処分されるはずだった二代目の保存に、地域の情報発信を手掛ける「西荻案内所」の奥秋圭さん(44)と妻亜矢さん(42)が動いた。いったん区内に保管場所を確保し、3Dデータをとり、スケッチ会を開くなどして記録を残した。運良く引き取り手が見つかり、昨年九月に象は佐渡へ渡った。

 その後、思いがけない発見があった。今年五月、体の表面の紙をはがしたところ、立派な竹細工が現れた。制作者(故人)も判明。さらに初代を造った竹細工店が区内にあることが分かった。かつて東京近辺では、オブジェのような大型の竹細工が盛んに造られていた。佐渡島も真竹の産地で、竹細工は工芸品として根付いている。

 象は今、紙を貼っていない状態で温泉施設に保管されている。奥秋さんは「象に教えてもらったことはたくさんある」と、経緯を本にまとめた。出版に併せ、これまでの記録を写真などでたどる入場無料の展示「西荻にいたピンクの象展」が十六〜二十一日、「gallery cadocco」(杉並区西荻北三)で開かれる。「不在」をテーマに二十三日まで区内で開かれているアートイベント「トロールの森2018」の一環。詳細は「西荻案内所」のホームページで。

紙をはがしたら現れた竹細工=新潟県佐渡市で(いずれも奥秋圭さん提供)

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