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【東京】

人生の記憶、絵筆に込め 若年性アルツハイマー佐藤さん 浅草で初の個展

作品を手に、ギャラリーに立つ佐藤さん=台東区で

写真

 考えや思いを言葉にすることが難しくなる若年性アルツハイマーと五十六歳で診断され、芸術療法で絵を描き続ける佐藤彰さん(61)=江東区=の初の個展「今ふたたびの人生を生きる かたちへの想(おも)い」が二十一日、台東区の「ギャラリー・エフ」(雷門二)で始まった。家族は「同じ病気に苦しむ方々に、希望につながる何かを見つけていただければ」と、展示への思いを語る。 (井上幸一)

 佐藤さんの作品は、空、雲、月、夕日など心に浮かんだ風景が多く、抽象的な表現のため、観賞者がさまざまな思いを巡らすことができる。

 江戸時代の土蔵を生かした浅草寺近くの空間に、アクリル画を中心に約五十点を掲示した。

 佐藤さんは長野県出身。「日刊ゲンダイ」で記者、編集の仕事をしていた際に病気が分かり、休職後に退職した。絵筆をとることで脳の活性化を促す療法を提唱する漆造形作家の鍋島次雄さん(60)=文京区=らに出会い、三年ほど前から熱心に絵を描き始めた。

 鍋島さんは「初めて作品を見たとき、『おっ』と思った。説明的でない線が美しい。生きてきた年月の記憶を描いているのでは」と、その表現力を高く評価。「美術の専門家にも、ぜひ見てほしい」と来場を呼びかける。

 一方で、佐藤さん自身は「難しく考えず、描くことが面白いから続けている」と極めて自然体だ。家族によると、描いている最中は、目が生き生きと輝き、集中しているという。

 十二月二日まで(火曜休廊)。入場無料。正午〜午後六時(二十二日は午後四時)。

 問い合わせは、ギャラリー・エフ=電03(3841)0442=へ。

 

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