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【東京】

太宰治への影響ひもとく 豊田正子さんの「綴方教室」9日葛飾でフォーラム

豊田正子さんの作文が発表された「赤い鳥」=葛飾区東四つ木で

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 小学生時代に書いた作文を基にした「綴方(つづりかた)教室」がベストセラーとなった作家の豊田正子さん(一九二二〜二〇一〇年)を記念する恒例のフォーラムが九日、豊田さんが学んだ葛飾区の本田(ほんでん)小学校(立石一)に隣接する区立立石図書館(同)で開かれる。今年のテーマは「『綴方教室』と太宰治」。豊田さんの文章が、太宰作品に間接的に与えた影響などをひもといていく。 (井上幸一)

 フォーラムは、豊田さんが住んだ四つ木地域の住民や郷土史研究者らによる「豊田正子を愛する会」が主催し、今年で八回目。豊田さんは小学四、五年生の時、恩師の大木顕一郎先生の指導で作文を書き、児童文芸雑誌「赤い鳥」に数多く入選した。これらをまとめて一九三七年に出版されたのが「綴方教室」で、貧しくとも素直に生きる少女の日常が共感を呼び、舞台や映画(高峰秀子主演)になった。

 太宰は豊田さんより十三歳年上で、今年が没後七十年。会によると、太宰がスランプの際、「綴方教室」公演に触発された十九歳の女性の日記を下敷きに短編小説「女生徒」を執筆、川端康成らに激賞されて再出発したという。また、豊田さんと教師との関係をアレンジし、「綴方」という言葉が出てくる作品もある。

 フォーラムでは、こうしたエピソードを会の上野重光代表(75)=同区四つ木=が解説。「太宰が綴方教室を読んでいたということを、資料を基に明らかにしたい」と上野さんは語る。このほか、朗読家の田中泰子さんが、太宰の「満願」と、豊田さんの代表作「はだしたび」を読み上げる。

 上野さんは「地元の葛飾区でも、豊田正子の名前を知る人が減っている。次世代への継承のためと、文字離れの傾向のある子どもたちに正子の優れた作品を読んでほしいと思い活動している」と話し、来場を呼びかけている。

 午後一時半開演。入場無料。会場は京成立石駅から徒歩五分。問い合わせは、上野さん=電03(3692)1537=へ。

豊田正子さん

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