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【東京】

<東京NEWS 2018> (1)中野サンプラザ解体へ

解体が決まり再整備が進められる中野サンプラザと、中野区役所(左)が立つ一帯=中野区で

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 中野サンプラザの解体が決まり、中野区の顔となる中野駅前の将来像をどのように描くのか。区民ら多くの人が思いを巡らせた一年だったのではないか。

 発端は六月の区長選だった。サンプラザを二〇二四年度ごろに解体し、隣の区役所の土地を一体的に再整備して、最大一万人規模のアリーナを建設する−。前区長が示したこの方針は、選挙をきっかけに広く知られることになり、争点にもなった。

 一万人というと、今のコンサートホールの収容人数二千二百二十二人の四・五倍に相当する。前区長の一万人構想の見直しと、「対話の力を活(い)かす」を掲げて初当選した酒井直人区長は、「区民会議」で議論を進めた。年内最後の会合では、一万人を期待する発言はなく、二千人から三千人程度を収容できる施設を希望する声が多数を占めた。海外の街で見られるような「広場」を求める意見もあった。

 計画策定の段階から区民の意見を聞くことは重要である一方で、区民会議はその難しさも浮き彫りにした。酒井区長が区議会でサンプラザ解体を明言したのは、仕切り直しの議論が始まったばかりの九月。唐突な印象を受けた。

 この明言は、解体に反対する委員の反発を招いた。一連の経緯について酒井区長は年末の会見で「委員にとっては急だったと思う。大変申し訳なかった。厳しい意見も含めてうかがえ、非常にいい場だったと思っている」と振り返った。

 区民会議での議論も参考にして、区は事業計画の素案をまとめる。素案を公表する前には「考え方」も示すとしている。来年には街の将来像が見えてきそうだ。

 この再整備事業は、サンプラザと後継施設だけの話ではなく、既に決定している隣の区役所の移転や、中野駅の混雑緩和対策も絡んだ周辺一帯のまちづくり。区政運営に区民との議論を積極的に取り入れたことは、区民のまちづくりへの関心を確実に高めたと思う。

 知恵の絞り所は山積している。その一つが区役所新庁舎の建設費。サンプラザと区役所の土地を一体的に開発することによって生み出すことになっている。だが、現在は、二百二十一億円という数字が上がるものの、費用を生み出す手法は明確になっていない。再整備事業は区が公募で選ぶ民間事業者が担う。これからも区民らとともに注視することは、たくさんある。 (渡辺聖子)

     ◇

 記者たちが二〇一八年に都内で追った出来事を振り返る。

 

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