東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 東京 > 記事一覧 > 1月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【東京】

<文京区と金沢市 ゆかりでつなぐ> (下)漆芸作家・杉田明彦さん (40)

故郷の文京区と金沢市などについて語る漆芸作家の杉田明彦さん=同市で

写真

 金沢市の工房で、輪島塗の器を手掛ける漆芸作家の杉田明彦さん(40)は文京区の出身だ。「古い街の風景を残し、細い道が通っているところは、少し文京区に似ている」と、金沢と故郷を重ねる。

 江戸時代から続く会津漆器の店「会津屋」(小石川二)が実家。「散歩が好きで、中学生時代は東大の赤門(旧加賀藩上屋敷の門)をくぐって、辺りをふらふらしていた」

 学習院大で美術史を専攻、役者を目指して中退したが生活は厳しかった。手に職を付けようとそば打ち職人に。独立できるぐらい腕を上げた三年目、輪島塗の塗師、赤木明登(あきと)さんの作品を本で目にした。モダンで繊細な器に心打たれて、弟子入りを志願。二〇〇七年、二十八歳で能登半島の石川県輪島市に移住した。

 ひたすら制作に没頭する日々。独立し、一四年には発表する機会も多い金沢市へ。作品が認められ、今ではパリのホテルにも展示されるほど。実家の店でも販売している。

 金沢市内で築何百年にもなる武家屋敷を購入し、年内には引っ越す。「当たり前に古いものがあるので、その良さに気付いていない地元の人もいる」。古いものも大切にとの思いから、「金沢市と文京区も、ただ近代化するのではなく、互いの良さを補い合いながら面白い街になってほしい」と希望している。 (堀井聡子)

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報