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【東京】

「東洋一の印刷のデパート」解体 80年の歴史に幕 文京の共同印刷本社ビルなど

取り壊し前の共同印刷の本館(左側の旗が立っている建物)と1号館(手前)

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 文京区の共同印刷(小石川四)は今月、築後八十年を経過した本社ビルなどの解体工事を始めた。耐震性の向上やセキュリティー強化を図るため、ビルを建て替える。出版や印刷関連の会社や工場が点在する地域のランドマークでもあり、解体を惜しむ声も。新しいビルは二〇二二年三月にも完成する。 (中村真暁)

 共同印刷によると、出版社「博文館」が一八九七(明治三十)年、現在の中央区銀座六丁目で印刷工場を創設したのが創業の原点。翌年、現在の場所に移転した。

 取り壊す主な建物は、建設当初からある塔屋が目を引く本館や一、二、三号館で、それぞれ一九三二〜三八年に落成。全館を新築した当時は、紙だけでなく、布や金属の印刷も始め、「東洋一の印刷のデパート」と呼ばれたという。戦時中の空襲で内部が焼失するなど壊滅的な打撃を受けたが、改修するなどして使い続けてきた。

 区内の茗荷谷地域の情報を発信するフェイスブックの「ご近所茗荷谷界隈(かいわい)−Myogadani」が解体を話題にすると、「慣れ親しんだ景色が変わる」や「お疲れさまでした」といった声が寄せられた。運営する稲富滋さん(71)は子どものころ、本社隣接の幼稚園に通ったといい「今時のガラスに覆われたきゃしゃなビルとは異なり安定感、安心感がある。空襲も生き延びてきた自信と落ち着きを感じる。寂しい思い」と感慨深げに話す。

 工事期間中は、本社機能などを敷地内の別のビルに移して営業する。新しいビルは鉄骨七階建て(延べ床面積約三万三千平方メートル)。同社の担当者はビルの詳細を検討中とし、「引き続き温かい気持ちを寄せてもらえれば」としている。

竣工当時の1号館=いずれも文京区で(共同印刷提供)

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