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【親子でぶらり 学べるスポット】

屏風 細部まで克明に、華美に 泉屋博古館分館(東京都港区)

盛儀のなかにも大勢の民衆の姿を描き込んだ二条城行幸図屏風=東京都港区で

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 泉屋博古館(京都市)は江戸期以前から銅精錬業を営み、富を築いてきた住友家の一大コレクションを所蔵する。東京・六本木にある分館では「屏風(びょうぶ)にあそぶ春のしつらえ」展が開かれている。展示の主役は「二条城行幸図屏風」だ。徳川将軍家の大御所秀忠と3代将軍家光の招きに応じ、後水尾(ごみずのお)天皇が御所から二条城に行幸する模様が描かれている。

 作者は不明ながら、博古館が研究を重ねる中で次々と高い価値が判明、今回はその成果を紹介している。天皇や中宮和子(まさこ)(秀忠の娘)に供奉(ぐぶ)する行列から京の町家の連なり、観衆の姿まで色彩豊かに活写。描かれた人物は計3226人に上る。

 学芸員の森下愛子さんは「行幸を見物する観衆も華やかで男女の小袖の表現が美しく、まるでファッションの見本市のようで興味深い。金銀蒔絵(まきえ)の華やかな重箱や酒器まで克明に描かれていて驚嘆する」と語る。華美でやんごとない屏風だけに、長年お蔵入りさせたことが最良の状態を保ったと考えられる。

 もうひとつの目玉が、住友家で“発見”された菊池容斎(1788〜1878年)の「桜図」(前期のみ)。容斎は幕臣で江戸城の警固役を務めながら、狩野派や浮世絵から西洋画まで描き方を習得。野地耕一郎分館長は「近代絵画の先駆けを成した人物。自然を写しとることを真剣に考えた」と評価する。

 分館では年間4回、住友コレクションを中心に特別展を開催。次回は黒川古文化研究所(兵庫県西宮市)の国宝・重要文化財を中心に刀剣、刀装具、書画など名品を一堂に集めた「名刀礼賛−もののふ達の美学」(6月1日〜8月4日)を予定している。 (小鷲正勝)

◆ひとこと

 「屏風に描かれた民衆は多様で、風俗が見事に描かれている。けんかや遊女をはべらせるお大尽らが面白い」と森下さん。幼子におしっこさせる母親を探してみては?

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 ★メモ 東京都港区六本木1の5の1、東京メトロ南北線六本木一丁目駅徒歩3分。住友家が収集した貴重な中国古銅器や鏡鑑のコレクションで知られる。開催中の「屏風にあそぶ春のしつらえ」展は5月7日まで。開館10〜17時。原則月曜休館だが、3月20日は開館、21日に休館。27〜29日は展示替えのため休館。入館料一般800円、高校・大学生600円、中学生以下無料。(電)03・5777・8600

●足を延ばせば…

 ★有栖川宮記念公園 港区南麻布5の7の29、東京メトロ日比谷線広尾駅徒歩3分。江戸期には盛岡南部藩の下屋敷があった。明治期に有栖川宮家の御用地となった。記念公園として一般開放されたのは1934年。75年に港区に移管され、区立公園に。麻布台地の変化に富んだ地形を生かした緑豊かな公園で、丘や渓流、滝、池などのある日本庭園が広がる。入園無料。年中無休。(電)03・3441・9642

 ★森美術館 港区六本木6の10の1、六本木ヒルズ森タワー53階、日比谷線六本木駅からコンコースで直結。「N・S・ハルシャ展」開催中(6月11日まで)。一般1800円、高・大学生1200円、4歳〜中学生600円、65歳以上1500円。会期中無休。開館10〜22時(火曜17時まで)。(電)03・5777・8600

 

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