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【親子でぶらり 学べるスポット】

青い海と絶景のコントラスト 平潟港(茨城県北茨城市)

茨城百景で知られる平潟港=茨城県北茨城市で

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 春先は潮のにおいを嗅ぎながらのどかな漁港を散歩するのもいい。アンコウの漁師鍋「どぶ汁」で有名な「まるみつ旅館」を起点に平潟港コースと長浜海岸コースがある。漁港に向けて坂道を下る。ギャラリーや民宿を通り過ぎると、さつま揚げや水産加工の工場に出る。ここで作っているイカの塩辛は風味があり絶品。すぐ裏には東日本大震災の際に津波の被害を受けた地区が残されている。大きな通りを横切るとお目当ての平潟港が見えた。入り口でかわいいアンコウ像が出迎えてくれた。

 平潟港は江戸時代、東回り海運の寄港地で商業港として繁栄した。平潟町はアンコウ鍋発祥の地。漁港ではアンコウをはじめ新鮮な魚介類が水揚げされ、料理旅館の食膳をにぎわせている。岸壁から青い海と漁船を背景に奇岩のような島が2つ連なっているのが見える。茨城百景に選ばれた景勝地だけあって、カモメが浮かぶ海の景色は見ているだけで飽きることがない。ここは日の出スポットとしても知られ、2つの奇岩の間から見える朝焼けは絶景だ。平潟港の南側に広がる長さ約1・5キロの長浜海岸はエメラルドグリーンの海と砂浜が美しい。しかも踏むと「キュッ、キュッ」と音がする鳴き砂だ。鳴き砂は関東ではここ1カ所だけという。

 近くの五浦海岸は東京美術学校の創設者・岡倉天心ゆかりの地。天心はこの地に移り住み、日本画家の横山大観らを呼び寄せ美術研究所を開設した。太平洋に臨む岸壁に立つ六角堂は屋根に宝珠を頂き、内部は炉を備えた茶室風。中国、インド、日本の伝統思想を表現しているという。「終日、浜辺に坐し、逆巻く海を見つめている」。生涯、アジアの伝統美を追求した天心はここでインドの女性詩人プリヤンバダ・デーヴィーあての手紙を書いた。詩人への「愛」は「一場の夢」のように五浦の海に消えた。 (土田修)

◆ひとこと

 太平洋戦争中、日本軍は長浜海岸から米国本土に向け、風船爆弾を放った。爆弾は西海岸に到達、民間人6人を爆死させた。近くには「風船爆弾石碑」が立つ。

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 ★メモ 平潟港(茨城県北茨城市平潟町)へは、JR常磐線大津港駅からタクシーで10分。まるみつ旅館=(電)0293・46・0569=は獲(と)れたてのアンコウの肝をふんだんに使った「どぶ汁」で有名。館内の浴室では神経痛や慢性消化器炎に効能があるという「平潟港温泉」を堪能できる。

●足を延ばせば…

 ★天心記念五浦美術館 北茨城市大津町椿2083。JR常磐線大津港駅からタクシーで5分。岡倉天心や横山大観をはじめ、五浦の作家たちの業績と作品を紹介するために1997年に開館。開館9時半〜17時。原則月曜休館。入館料は企画展ごとに設定(岡倉天心記念室の入室料含む)。30日まで「再興第101回院展 茨城五浦展 『天心、大観の精神を受け継ぐ画家たち』」開催。(電)0293・46・5311

 ★天心遺跡記念公園 北茨城市大津町五浦。JR常磐線大津港駅からタクシーで5分。天心は東京・谷中にあった日本美術院第一部を五浦に移し、絶壁の上に研究所を設けた。大観らは研究所に通い制作を続けた。現在は記念公園として整備されている。入園無料。(電)0293・43・1111(市観光協会)

 

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