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【親子でぶらり 学べるスポット】

4万6千通の書簡が語る交友 徳富蘇峰記念館(神奈川県二宮町)

蘇峰に送られた書簡が並ぶ館内。手紙の中身も丁寧に解説されている=神奈川県二宮町の徳富蘇峰記念館で

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 江戸末期に生まれた徳富蘇峰は、24歳の時に書いた「将来之日本」が大ベストセラーとなり、東京で総合雑誌「国民之友」「国民新聞」(東京新聞の前身の一つ)を創刊した。平民主義を唱え、人気を集めたが、後に軍国主義に転じて批判を浴び、政界から身を引いた。

 56歳からは、「近世日本国民史」(全100巻)の執筆に当たった。戦後はA級戦犯容疑者に指名されるが、旺盛な執筆活動を続け、1957年に94歳で亡くなった。

 二宮駅を降りて10分ほど住宅街を歩くと、記念館に着く。館内には、蘇峰から託された蔵書、書画、原稿、遺品などが数多く収蔵されている。約120年前に蘇峰が使ったパスポートや、辞書、洋書などは、他では見られない貴重な歴史資料だ。

 蘇峰が、熱海の旅館で執筆をしながら過ごす様子を記録した短編映画や、人生をまとめた写真を大型のモニターで放映しており、彼の人生を短時間で振り返ることができる。

 この記念館の最大の特色は、蘇峰が残した毛筆書簡だ。その数はなんと約4万6千通。差出人の数では約1万2千人にものぼる。生前の交友関係の広さを偲(しの)ばせる。

 今年末まで「相模湾沿岸地域ゆかりの名士展」が開かれており、小田原、真鶴、湯河原などに住んでいた山県有朋、伊藤博文、北原白秋らから、蘇峰に宛てた手紙が展示してある。

 学芸員の塩崎信彦さん(50)は「教科書に載っているような有名な人がどんな字で手紙を書いていたのか、若い人たちにぜひ見てほしい」と話している。

 記念館の前には、梅の古木が多く、早春に咲くこの梅を楽しみに来館する人も多いという。 (五味洋治)

◆ひとこと

 蘇峰の交友関係は政治、文学、実業界と広かったが、酒はあまり飲まず、読書に打ち込んでいたという。所蔵された膨大な本を見ていると、猛勉強ぶりが伝わってくる。

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 ★メモ 神奈川県二宮町二宮605、JR東海道線二宮駅徒歩12分。徳富蘇峰は明治〜昭和時代にかけて、ジャーナリスト、歴史家、思想家として活躍した。ゆかりの地に記念館があるが、二宮町の記念館は晩年に秘書を務めた塩崎彦市氏が、1969年に自分の家の敷地内に私設記念館として建設、その後、財団法人となった。入館料一般700円、高校・大学生500円。中学生以下無料。開館10〜16時。原則月曜休館。(電)0463・71・0266

●足を延ばせば…

 ★吾妻山公園 二宮町山西1084。JR東海道線二宮駅北口から徒歩5分の所に入り口がある丘陵公園で、富士山や伊豆半島まで見渡せる。四季折々に花が楽しめる。1月上旬から咲き始める早咲きの菜の花は有名で、多くの観光客でにぎわう。駅前には観光協会があり、地元の特産品も販売されている。(電)0463・73・1208

 ★ガラスのうさぎ像 二宮町二宮838付近。JR二宮駅南口前にあり、第2次大戦末期に東京大空襲で母と妹を失い、疎開先の二宮でも機銃掃射により父を失うという過酷な体験をつづった高木敏子氏の自伝小説「ガラスのうさぎ」にちなんだ像。平和の尊さを後世に伝えるため寄付金によって建てられた。少女が父の形見となったガラスのうさぎを手にしている。

 

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