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【親子でぶらり 学べるスポット】

ペリーロード(静岡県下田市) 幕末開港に思いはせ

(上)幕末開港の歴史が漂う下田港=静岡県下田市の下田公園から(下)下田港を背景に立つペリー艦隊来航記念碑

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 下田港が一望できるまどが浜海遊公園で海風に当たっていると目の前をマストを高く掲げた黒い船がこちらに向かってきた。観光客に人気の遊覧船「サスケハナ号」だ。アメリカ合衆国海軍の蒸気フリゲート艦で、幕末に来航し日本を震撼(しんかん)させた黒船の旗艦船だ。司令長官のマシュー・ペリーが搭乗したこの船の名はアメリカ原住民の言葉で「広く深い川」を意味する。

 今、それを模した遊覧船は江戸時代から自然の港として知られた港内を約20分で一周する。船は途中、西洋文明に憧れた長州藩士の吉田松陰が密航を企て小舟を漕(こ)ぎだした弁天島の前をゆっくり通り過ぎる。

 1854(嘉永7)年に締結された日米和親条約で下田と箱館(現・函館)が開港され、江戸幕府の鎖国体制は崩壊した。その際、下田に上陸したペリーは、港から了仙寺まで約700メートルの小径(こみち)を歩いたとされる。平滑川沿いの小径は「ペリーロード」と名付けられ、今では石畳に整備されている。

 黒船艦隊が上陸した「鼻黒」の地には「ペリー艦隊来航記念碑」が立っている。開国記念碑のある下田公園からは、右手になだらかな「寝姿山」、左手には三角形の「下田富士」が見える。なかなかの絶景だ。海底火山によってつくられた「火山の根」と呼ばれる特異な地形だ。公園は6月になるとアジサイが咲き誇り、観光客でにぎわう。

 高台の下田公園を一回りしペリーロードへ戻った。小魚が群生する小川沿いに石造りやなまこ壁のレストランや喫茶店などが立ち並び、明治・大正期のレトロな風情を感じさせる。懐かしい風情の街並みを歩いていると、ペリーが黒船に乗ってやってきた幕末開港の歴史が頭をよぎった。 (土田修)

◆ひとこと

 作家の三島由紀夫も毎年のように下田で夏を過ごしたことで知られる。その三島が絶賛したのが、ペリーロード近くの「日新堂」のマドレーヌ。懐かしい味が人気だ。

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 ★メモ 日本開国の舞台・下田港を“黒船”で一周する遊覧船「サスケハナ号」は下田港遊覧船乗り場から出航する。カモメが飛び交う港内の様子だけでなく、海岸沿いの街並みや南伊豆の遠景を楽しめる。毎日運航(荒天時には欠航)。大人1200円、子ども600円。2階特別展望室は別途料金として大人500円、子ども250円が必要。問い合わせは、伊豆クルーズ下田本社=(電)0558・22・1151=へ。

●足を延ばせば…

 ★了仙寺・黒船ミュージアム 下田市3の12の12 伊豆急下田駅徒歩約10分。黒船来航時の様子を多角的に紹介する。同寺が所蔵する肉筆画や錦絵、瓦版、古地図などの黒船コレクションを展示。仏像や曼荼羅(まんだら)、民間信仰の人形、伝来の書画なども展示。黒船の歴史を紹介するシアターも。開館8時半〜17時。入館料大人500円、小中高生250円。65歳以上400円。駐車場あり。(電)0558・22・2805

 ★長楽寺宝物館 下田市3の13の19。伊豆急下田駅徒歩約15分。日露和親条約調印、日米和親条約の批准書交換が行われた史跡。条約締結の場となった際の遺品などを展示。伊豆の七福神巡りの寺のひとつ。開館8時半〜17時。入館料大人300円、中学生以下無料。駐車場あり。(電)0558・22・0731

 

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