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【親子でぶらり 学べるスポット】

尚仁沢湧水群(栃木県塩谷町) 水の古里よ、永遠に

ひっそり静まり返った尚仁沢の淵=栃木県塩谷町で

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 尚仁(しょうじん)沢の湧水群は栃木県北部の釈迦(しゃか)ケ岳(1795メートル)の山腹にある。イヌブナなどの原生林に十数カ所の源泉が点在し、日量6万5000トンもの清らかな水が流れ出している。

 山岳仏教が盛んであった奈良時代、登山者は釈迦ケ岳など高原(たかはら)山山地に登る前に、ここで身を清めたといわれる。

 1985年に全国名水百選に定められ、湧水群を巡る1・5キロ(徒歩約30分)の遊歩道が整備されている。

 日光、那須といったメジャーな観光地に挟まれているせいか、訪れる人は多いとはいえない。それでも、森を歩いていると、何組かハイカーとすれ違った。静かな山歩きを楽しみたい人たちのための隠れた穴場というところか。

 風の音、鳥の鳴き声、せせらぎの響きだけが耳に残る。

 橋の上から淵を見下ろすと、白い水底までくっきりと見える。背筋がぞくぞくするほどの透明度だ。水面に白い小さな花びらが浮かんでいた。

 見上げるとシロヤシロの花が満開に咲き誇っていた。

 案内をしてくれた塩谷町役場産業振興課の川内良介さん(25)に勧められて、源泉の水を口に含んでみた。冷たいが軟らかく、ほんのりと甘い。

 森の精気が体の中に染み込んでくるような気分になる。

 川内さんは千葉県市原市の出身。大学卒業後に地域おこし協力隊員として塩谷町に来て、そのまま町役場に就職して残る道を選んだそうだ。

 「尚仁沢の素晴らしい景観をもう少したくさんの人に知ってもらいたいと思います。ですが、このまま手付かずの自然を残したい気持ちもあります」と日に焼けた顔をほころばせた。(坂本充孝)

◆ひとこと

 2014年7月、環境省は塩谷町内の山林を福島第一原発事故に由来する放射性物質汚染ゴミの最終処分候補地に選定。これに対し、住民による反対同盟が結成された。

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 ★メモ 栃木県塩谷町。マイカー利用で、東北自動車道・矢板ICから約20分。県道藤原宇都宮線の途中に尚仁沢湧水入り口の表示と駐車場がある。ここから徒歩で最奥の源泉まで約30分。近くの東荒川ダム湖畔の親水公園に「尚仁沢名水パーク」の施設があり、名水をくむには、こちらが便利。

●足を延ばせば…

 ★佐貫観音(佐貫石仏) 塩谷町佐貫。東武線新高徳駅から車で15分。鬼怒川左岸に高さ64メートルに及ぶ一大岩塊がそびえ、岩面には像高約18メートルの大日如来磨崖仏(国指定史跡)が刻まれている。弘法大師一夜の作と伝えられる。岩の上部には奥の院大悲窟があり、中には秘仏が納められている。

 ★尚仁沢はーとらんど 塩谷町上寺島1618の4。JR矢板駅から車で30分。東荒川ダムのそばにあり、名水パークにも隣接するおもてなし施設。地元特産物を中心にオリジナル商品や軽食などを提供、訪れる人に安らぎを与える。B級グルメの「里芋ふらい」や、季節の野菜の素揚げがたっぷり乗った人気の「ダムカレー」も販売(食事は14時まで)。営業時間9〜17時。(電)0287・41・1080

 

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