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【親子でぶらり 学べるスポット】

見沼田圃(みぬまたんぼ)(さいたま市、川口市) 市民参加で守ったオアシス

緑のトンネルになっている未舗装の「みちくさ道路」=見沼田圃で

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 「埼玉の原風景」といわれる巨大な緑地が都市近郊に残されていると聞いて足を運んだ。面積約1300ヘクタール。はるかかなたまで田畑と森が広がる。南北に細長く、外周は約44キロある。一周すればマラソンコースより長い距離だ。さいたま市と川口市にまたがる見沼田圃(たんぼ)は自然環境豊かな都会のオアシスだ。

 北部は加田屋新田と上山口新田のふたまたに分かれ、南部には水鳥の休息地となる芝川第一調節池がある。台風などによる増水時には約300万立方メートルの水がたくわえられ、川口市方面の浸水に備えている。

 見沼は名前の通り、古代は沼地だった。江戸時代、幕府が水田確保のため灌漑(かんがい)用水池をつくり、さらに干拓して新田開発した。現在、田圃は減少したが、花木や野菜の栽培、家庭菜園、公園、グラウンドなどとして利用されている。見どころはいっぱいある。市民運動で保全された斜面林や屋敷林などの樹林、約200種類の鳥類が確認されている見沼代用水や調節池の水辺などだ。

 「これだけの広さの緑地を残せたのは市民と行政とが長い時間をかけて協議してきた結果です」と埼玉県生態系保護協会事務局長の堂本泰章さんは語る。行政は治水の観点で、市民団体は環境保護の観点で知恵を出し合い、1995年に土地利用の基本方針を県が策定した。市民参加と協働の成功例だ。

 堂本さんの案内で調節池沿いの「みちくさ道路」を歩いた。全長200メートルほどの未舗装道路は、左右に再生された樹木が生い茂り、まるで緑のトンネルだ。道路脇の小川には木製の小さな橋がかかっている。イタチやカエルなどが渡るためのエコブリッジだ。多様な生物との出会いが日々の疲れを癒やしてくれそうだ。 (土田修)

◆ひとこと

 田圃の南端に「見沼通船堀」という国指定史跡がある。江戸時代の築造で、大正末期まで使われた閘門(こうもん)式運河の遺構だ。周辺の村々と江戸を結ぶ重要な交通路だった。

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 ★メモ 公益財団法人・埼玉県生態系保護協会では毎月、自然観察会やこども自然クラブなどさまざまなイベントを開催している。参加費は一般300円、会員と高校生以下は100円。開催日や開催地など問い合わせは同保護協会=(電)048・645・0570=へ。

●足を延ばせば…

 ★浦和くらしの博物館民家園 さいたま市緑区下山口新田1179の1。JR浦和駅東口から国際興業バスで「念仏橋」下車すぐ。市内最古の民家といわれる「旧蓮見家住宅」など伝統的な建造物7棟を移転、復元している。生産・生活用具を中心に民俗資料の収集・保存も行い、昔の暮らしや知恵・工夫を知ることができる。入館無料。開館9時〜16時半。原則月曜と祝日の翌日休館。(電)048・878・5025

 ★見沼自然公園 さいたま市緑区南部領辻450の1。JR大宮駅東口から国際興業バス「さいたま東営業所」行きで「締切橋」下車徒歩5分。見沼田圃の中に位置する。広さ約10.9ヘクタール。小さな島のある秋景池や自然観察園、広大な芝生広場も。入園無料。駐車場あり。(電)048・878・3656 

 

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