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【親子でぶらり 学べるスポット】

山武市歴史民俗資料館(千葉県山武市) 歌人・伊藤左千夫の暮らし残す

伊藤左千夫記念公園に立てられた政夫と民子の像

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 久々に家帰り見て故(ふる)さとの

 今見る目には岡も河もよし

           左千夫

 JR成東駅の改札を出ると、アララギ派の歌人、伊藤左千夫の歌碑が出迎えてくれる。

 左千夫は1864年、駅から約1キロの武射(むさ)郡殿台(とのだい)村(現山武(さんむ)市殿台)の中農の家に生まれた。生家は現在も保存されており、隣に山武市歴史民俗資料館が立っている。

 16歳の時に富国強兵を説く建白書を元老院に提出した左千夫は17歳で政治家を志して上京。しかし眼病を患い断念する。その後、現在の錦糸町駅前で牛舎を建てて乳牛を飼育、知己を得た同業者の伊藤並根(なみね)に和歌と茶の湯の手ほどきを受けた。

 「左千夫が30歳のころです。数年後には正岡子規の知遇を得て門下に入ります」。資料館の山口直人館長が説明してくれた。

 同資料館は左千夫の愛用した茶器や机などの遺品、直筆原稿や発行した「阿羅々木(あららぎ)(のちにアララギ)」「馬酔木(あしび)」などの実物を展示する。「特にあの時代の人物としては写真が多く残っているのが特徴です」と山口さん。錦糸町時代に牛と並んで撮影したものや、斎藤茂吉、土屋文明らの同人と写っているものも多い。

 茅葺(かやぶ)き平屋の生家は築220年といわれるが、現在も土間まで入り見学することができ、敷地には左千夫の小説「野菊の墓」を原作とした映画に出演した松田聖子さんが植樹したアララギの木も植わっている。

 資料館から「野菊路」と名付けられた小道を少し歩くと伊藤左千夫記念公園がある。野菊の墓の主人公、政夫と民子の像があり、子規のほか、茂吉、(島木)赤彦らアララギ派歌人の歌碑が並ぶ。こちらもぜひ訪れたい。 (仁賀奈雅行)

◆ひとこと

 「子規から茂吉、文明らへ、写実の和歌をバトンタッチする役目を果たしたのが左千夫でした。その生涯に触れていただければ」と山口さん。

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 ★メモ 千葉県山武市殿台343の2、JR成東駅徒歩15分。伊藤左千夫に関する史料などを中心に展示。15日から企画展「左千夫と原稿(後期)」を開催。入館料学生・一般130円、小中高生80円。開館9時〜16時半。原則月曜休館。(電)0475・82・2842

●足を延ばせば…

 ★ホキ美術館 千葉市緑区あすみが丘東3の15、JR外房線土気駅からバス。日本初の写実絵画専門美術館。森本草介、中山忠彦ら50人の作品約450点を所蔵。11月18日まで企画展「SPARK−あの時君は若かった−」を開催中。入館料一般1800円、65歳以上・高大生1300円、中学生900円。小学生以下は無料(大人1人につき2人まで)。開館10時〜17時半。原則火曜休館。(電)043・205・1500

 ★成東・東金食虫植物群落 山武市島畑田464の8、JR成東駅徒歩20分。モウセンゴケやイシモチソウなどの食虫植物を含めて、300種以上の植物が群落を形成。観察路へは、9、10月は土日祝日のみ10〜15時に、11〜3月は日曜日だけ立ち入りできる。管理棟=(電)0475・82・4871(開館時のみ)。

 

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