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【TOKYO―首都圏―のわがふるさと】

三重(4) 三重の県民気質 生活の中に神々が 司会者 楠田枝里子さん語る

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 伊勢神宮に志摩半島、松阪牛、鈴鹿サーキットなど、たくさんの名所、名物がある割に「三重県」という県名は影が薄い。しかし、江戸・日本橋を席巻した伊勢商人や俳聖・松尾芭蕉、国学者本居宣長など、日本の産業・文化に影響を与えた人材も多く輩出した。県民性などを司会者の楠田枝里子さんに聞いた。

 −どんな県か。

 「南北に長く、海も山も平野もある、自然の豊かな県だ。県木の『神宮スギ』で分かるように、(伊勢)神宮の存在は、私の生まれた伊勢市だけでなく、県全体にとってとても大きい。古くから全国各地からのお伊勢参りで、たくさんの人々がやって来た。自ら積極的なアプローチをしなくても商売ができた。そのためか、性格的には素朴で、のんびりマイペース。人を押しのけても、私が私が、という人は少ない。この競争社会ではそれで損することもあるが」

 −自身にとっての神宮とは。

 「神宮は内宮(ないくう)、外宮(げくう)が知られているが、ほかに風宮、土宮、月夜見宮など、125のお社がある。たくさんの神々とともに暮らしている。子どもの時は、神宮の森で遊んだ。今でも帰郷し、神宮の森に入るとふるさとに戻った気持ちになる。(20年に一度の)ご遷宮の(社殿のご用材を運ぶ)御木曳(おきひき)などの行事に参加した。宗教的というより、もっと自然なかたちで神々がある」

 −江戸で成功した伊勢商人が多いが。

 「こつこつとまじめに努力したのではないか。他人の評価に合わせるのではなく、自分にできることを地道に積み重ねていく。それが信頼を築いた。商売だけでなく、学術など、ほかの分野でもそうだと思う」

 −県の良さは。

 「風光明媚(めいび)な地で、伊勢エビ、アワビ、松阪牛など、食べ物がとてもおいしい。ほかに伊勢梨、蓮台寺柿などは私の好物だが、日本一の味だと思う。気候も穏やかで、『幸福度』はとても高い。(その証拠に)私の同級生も(進学で)都会に出ても卒業後は地元に戻った人が多い」

 −三重県の影が薄い。

 「私自身も伊勢市の出身、という方が理解されやすい。三重県の認知度が低い。これほど、世界的にも知られる多くの観光地があるのだから、もっとアピールすれば、と思うが、情報の発信力は弱い。この辺りは行政のさらなる努力を期待したい」

 (編集委員・朽木直文)

 楠田枝里子(くすた・えりこ) 1952年伊勢市生まれ。東京理科大理学部卒業。日本テレビのアナウンサーを経てフリーに。「なるほど!ザ・ワールド」などの司会で人気を博す。司会者のほか、ノンフィクションやエッセー、絵本の執筆などでも幅広く活躍する。著書に「チョコレートの奇跡」「ナスカ砂の王国」「ピナ・バウシュ中毒」など。

 <東京三重県人会> 1955年に、それまであった在京県人会「三重クラブ」が発展的に解消し、新たに発足した。首都圏在住の県出身者、県ゆかりの人々の親睦組織。年1回の県人会大会などを開催。事務局は千代田区平河町2の6の3、都道府県会館11階、三重県東京事務所、(電)03・5212・9065。

 主な三重県出身者(生年順)

 【過去】御木本幸吉(真珠王)斎藤緑雨(小説家)佐佐木信綱(歌人)衣笠貞之助(映画監督)横光利一(小説家)中山伊知郎(経済学者)丹羽文雄(小説家)沢村栄治(プロ野球選手)榊莫山(書家)植木等(俳優)和田勉(演出家)

 【現在】岡田卓也(イオン名誉会長)奥田碩(トヨタ自動車相談役)高畑勲(映画監督)奥田務(J・フロントリテイリング社長)西田厚聡(東芝会長)三重ノ海剛司(武蔵川親方・元横綱)ドン小西(デザイナー)鳥羽一郎(歌手)瀬古利彦(マラソン指導者)山川豊(歌手)椎名桔平(俳優)野口みずき(マラソン選手)吉田沙保里(レスリング選手)浅尾美和(ビーチバレー選手)西野カナ(歌手)

 

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