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【国際】

香港立法会選 民主派が3分の1超確保

5日、香港立法会選挙で当選が確定し、開票所で両手を上げる大規模デモ「雨傘運動」の元リーダーの羅冠聡氏(右から2人目)=共同

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 【香港=加藤直人】四日の香港立法会(議会=定数七〇)選挙は五日、開票作業が行われた。親中派の四十議席に対し、民主派と香港独立を視野に入れる急進的な「本土派」を合わせた勢力が二十九議席を獲得した。香港のテレビによると、残る一人はいずれにも属さないという。

 改選前と同様、親中派が過半数を占めるものの、民主派は行政長官選改革案などの重要議案を否決できる三分の一超の勢力を確保した。二〇一七年の次期長官選は現行の間接選挙で実施されるが、二二年長官選での普通選挙実施に向けた民主派勢力の伸長に弾みをつけそうだ。

 投票率は58%(速報値)と、中国への返還以降六回の選挙で最高を記録。本土派では雨傘運動の元学生リーダーの羅冠聡氏が当選したほか、青年新政や熱血公民などの六人が当選した。

◆中国の強い干渉 裏目に

<解説> 香港の民意は、立法会(議会)の民主派に重要議案を否決できる三分の一超の勢力を与えた。事実上の民主派勝利は、香港の自治への中国の強い干渉が裏目に出た結果といえる。

 香港に衝撃を与えたのは、中国指導者を批判する書籍を発行した「銅鑼湾書店」関係者の失踪事件。中国の関与を疑う住民は「高度な自治」が踏みにじられる危険を現実のものと感じ、投票行動に反映させた。

 今後は、民主派でも独立の選択肢を排除しない勢力や、香港を本土とみなし中国の考えには従わないとする急進派など、対中強硬姿勢の若者が民主化運動を主導することになる。

 他方で、民主派議員は何人ものベテランが落選した。世代交代の動きに、若い本土派は「香港の未来は私たちが担う」と意気込む。だが、大陸側からは、中国と香港の緊張の高まりを懸念する声が出る。

 勝利した民主派勢力も、中国との対決姿勢のみでは武力弾圧の危険水域まで摩擦が高まる恐れがある。民主化の経験と知恵を積み重ねてきたベテラン民主派との連携を深めることが、香港の真の民主化には重要になろう。 (加藤直人)

 

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