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【国際】

正日氏、体制固めへ「遺訓」 権力継承へ忠誠心徹底

 【北京=城内康伸】北朝鮮の故金正日(キムジョンイル)総書記が死去直前の二〇一一年十二月初め、旧ソ連のゴルバチョフ大統領について「ソ連軍内の政治組織を解体させたために、国が滅んだ」と批判していたことが、本紙が入手した朝鮮人民軍の内部資料で分かった。総書記はリビアの最高指導者だったカダフィ大佐が殺害されたのは「軍への政治的指導を行わなかったためだ」とも主張していた。健康不安を抱えた総書記が金正恩(キムジョンウン)氏への円滑な権力継承のため、政治・思想教育を通じた忠誠心の徹底を急いでいたことがうかがえる。

 資料は、正恩氏(現・朝鮮労働党委員長)が第一書記に選ばれた一二年四月の党代表者会直前、平壌郊外地域を担当する人民軍部隊の指揮部が作成した。「最高司令官金正恩同志の指導を、最大の忠誠で支えていく真の革命家になることについて」と題され、正恩氏を唯一の指導者とし、党の指導に絶対的に従うよう部隊指揮官に求める内容。

 資料によると、金総書記は一一年十二月、「(軍内の)党組織、政治機関を強化しなければ、人民軍隊を徹頭徹尾、党の軍隊にすることはできない。ソ連とリビアの事態を通じて得た重要な教訓だ」と強調。

 続いて「ソ連の赤い軍隊は、数百万の兵力と最新の武力装備を備えた世界的な強軍だったが、ゴルバチョフ(元大統領)が軍の政治機関を全てなくし、非(共産)党化、非政治化すると騒ぎ立てたことで、軍隊も国も滅んだ」と批判していた。

 さらに総書記は「カダフィ(大佐)は、軍隊に対する政治的指導と思想教育を全く行わなかったため、自分の軍隊・軍人によって殺された」と述べ、思想教育の重要性を力説した。総書記は同月十七日に死去しており、初めて明らかになった発言内容は、死去直前の重要な「遺訓」といえそうだ。

 一九九〇年にソ連大統領に就任したゴルバチョフ氏は政治経済の抜本的改革を断行。しかし、九一年には保守派によるクーデターが起き、求心力が低下。同年末にソ連は崩壊した。カダフィ大佐は二〇一一年、リビアで起きた反政府運動で権力の座を追われ、同年十月に殺害された。

 

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