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【国際】

「チェンジする力信じて」 オバマ米大統領が退任演説

 【ワシントン=石川智規】オバマ米大統領は十日、地元イリノイ州シカゴで、退任演説を行った。二〇〇八年の大統領選で自ら訴えた「チェンジ(変革)」を用いて「大統領として最後のお願いだ。チェンジを起こすのは皆さんの力だと信じてほしい」と強調した。

 二期八年を「イエス・ウィー・ディド(私たちは成し遂げた)」と振り返った上で多様性ある社会の実現や民主主義の発展に向け「イエス・ウィー・キャン(私たちはできる)」と呼び掛けた。

 演説でオバマ氏は民主主義や自由、平等の重要性を繰り返し説いた。任期中には人種差別撤廃や「核兵器なき世界」といった高い理想を掲げたものの、現実には格差が拡大し疲弊した社会で人種などによる分断が深化。トランプ次期大統領を生む一因となったが、自省の言葉は少なかった。

 オバマ氏は、移民を受け入れ多様性を保ってきた歴史が「米国を豊かで強くした」と強調。「移民の子供を大切にしなければ、私たちの子供の未来も損なう」と述べ、トランプ氏が訴える不法移民の強制退去など排他的な政策を牽制(けんせい)した。

 また、憲法が保障する民主主義などについて「当然あるものとみなせば存在が脅かされる」と指摘。「私たちが政治に参加し責任ある選択をしなければ憲法はただの紙になる」と警鐘を鳴らした。

 任期中の政策としてリーマン・ショックによる大不況からの脱却や医療保険制度改革(オバマケア)、イラン核合意などを挙げつつ「皆さんの希望が答えを出してくれた。皆さんこそチェンジそのものだ」と謝意を表明。自ら合意を働きかけた地球温暖化対策の枠組み「パリ協定」を念頭に、「気候変動問題を否定することは次世代への裏切りだ」と断言し、オバマ氏のレガシー(政治的遺産)を覆そうとするトランプ氏に再考を促した。

 退任前の歴代大統領は通常ホワイトハウスでお別れ演説を行うが、オバマ氏は自身の市民活動の原点であり大統領選の勝利演説も行ったシカゴを選択。妻ミシェルさんや娘に感謝の言葉を述べる時、涙を拭った。

 

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