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【国際】

中国の大都市で続々「新戸籍制」 学歴や年齢を点数化し可否

 【上海=浅井正智】中国各地の大都市で、地方から流入する人口の制限を目的とした新戸籍制度が導入されている。都市戸籍の取得希望者について学歴や年齢、技術技能レベルなどを点数化し、一定の得点に達した人だけに取得資格が与えられる。大都市には都市戸籍を持たない農民工(出稼ぎ労働者)が多く、新制度は都市戸籍保有者との格差を解消するための措置とされる。配点基準が明確なガラス張りの制度に見えるが、数値の低い人を合法的に排除する意図もある。

 一日には、江蘇省の省都・南京市で新制度が導入された。南京の場合、得点化されるのは十五項目。学歴では大卒八十点、高卒四十点。年齢は四十六歳以上は零点で、四十五歳は二点。一歳下がるごとに一点ずつ加算される。技術技能レベルは、資格に応じて四十〜百二十点がプラスされる。

 計百点以上の人だけが戸籍取得の資格を得るが、定職や定住所がなかったり、市の社会保険に加入して二年に満たない場合、得点に関わらず締め出される。

 同様の制度は北京、上海などですでに始まっており、今後、人口五百万人以上の大都市すべてで順次導入していく。得点方式から見えてくるのは、人口を量的に制限するだけでなく、できるだけ若くて高い技能を持った人を集めたいという政策的な狙いだ。農村から都市に来た農民工にとってはハードルが高いが、得点という基準が客観性を装っているだけに、国民の批判を受けにくい面もある。

 中国には都市戸籍と農村戸籍があり、受けられる行政サービスなどで大きな違いがある。農民工は賃金の低い単純労働などを担う一方、都市部で教育や医療サービスが受けられない。政府は戸籍制度を二〇二〇年までに一本化し、一億人に都市戸籍を与えることで問題解消を目指している。ただ中小都市への戸籍移転は門戸を広げる一方で、大都市への移住は得点方式の導入でむしろ狭き門となる。

 

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