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【国際】

米国に駆け込む7カ国の市民 入国禁止の差し止め継続 

 【ニューヨーク=東條仁史】難民やイスラム圏七カ国からの入国を制限したトランプ米大統領の大統領令を一時差し止める司法判断を受けて四日、七カ国の出身者らが米国各地の国際空港などに次々に降り立った。今後の司法判断次第では、再び入国ができなくなる恐れもあり、五日も入国を急ぐ動きが続いた。

 「非常にほっとした。感動している。これで子どもは治療を受けられる」。AP通信などは、イラン人女児の家族の言葉を伝えた。生後四カ月の女児は心臓の手術を受けるため、米オレゴン州に向かう予定だったが足止めされていた。

 女児の親戚によると、女児は重い心臓疾患を抱えており、イランの医師は両親に「緊急手術を受けないと命に関わる」と告げた。米国の市民権を持つオレゴンの親戚の支援も受け、手術を受けられることになったが、ビザの手続き中に入国禁止措置が始まった。地裁決定を受けて、急いで米国に向かったという。

 家族の弁護士は「入国禁止措置が、いいかげんな思い付きで十分に検討されないまま出されたことを示す好例だ。しかも人道上の問題も引き起こす」と憤った。

 米メディアなどは、空港の到着ロビーなどで、出迎えを受ける七カ国出身者らの様子を伝えた。ニューヨークのケネディ国際空港などでは、弁護士らのボランティアが移民や難民の支援を行っているという。

 「米国への入国が認められて幸せだ」。ロイター通信の取材に答えたのは、レバノンに住むイラク難民の三十代女性だ。二月一日、家族四人で米ミシガン州デトロイトの親族宅に向かう計画だったが、入国禁止令に阻まれた。女性は「レバノンでは家もなければ仕事もない」と米国への期待を語った。

 最近、米国籍を持つ男性と結婚したイエメン人の女性は「私にとって初めての米国行きの経験。一度は阻止されたけど、計画を前に進めることにした」とロイターに語り、米国に行く便に乗り継ぐため、カイロからトルコに向かった。

 トランプ政権は入国禁止措置の正当性を主張、今後の裁判所の判断によっては、米国への門が再び閉ざされる可能性もある。アラブ系米国人の権利擁護団体は、ビザを持つ人はできるだけ早く入国するよう呼び掛けている。六日からは難民の受け入れも本格的に再開されるとみられる。

 

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