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【国際】

スコットランド、独立機運再燃  住民投票再実施要求へ

18日、英北部アバディーンで開かれたスコットランド民族党党大会で、独立の住民投票を訴えるスタージョン党首=小嶋麻友美撮影

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 【アバディーン(英北部)=小嶋麻友美】英国の欧州連合(EU)離脱交渉の開始を前に、北部スコットランドの独立機運が再燃している。スタージョン行政府首相は二十二日のスコットランド議会で承認を得て、住民投票の再実施を正式に英政府に求める予定。離脱交渉への影響を避けたいメイ首相は「今はその時ではない」と否定的で、英政府とスコットランド行政府は全面対決の様相だ。

 十八日、アバディーンで開かれたスコットランド民族党(SNP)党大会で、党首のスタージョン氏は「スコットランドの将来はスコットランドが決める」と述べ、住民投票で独立を問うと宣言した。

 スタージョン氏はすでに、二〇一八年秋から一九年春までに住民投票を行う考えを表明。一方、メイ氏は、EU離脱後の行方が明らかでないうちに住民に問うべきではないと主張し、「SNPは独立に取りつかれている」と批判している。

 一四年九月の住民投票は、55%対45%で独立を否決した。しかし昨年のEU離脱を巡る国民投票で、スコットランドは62%がEU残留を支持。EU単一市場から脱退する「強硬な離脱」を英政府が目指すことは、スコットランドの利益に反するというのがスタージョン氏の主張だ。

 スタージョン氏は、時期については交渉に含みを持たせた。一方、英政府にも断固はねつければ独立の火に油を注ぎかねないという懸念があり、月末のEUへの離脱通告を前に、国内でも攻防が続く見通しだ。

 SNP党大会は独立への熱気であふれた。四十年来の党員のイアン・グラハムさん(70)は「私たちは歴史的にも北欧に近い。EU離脱で独立の可能性は高まった」。高校生ローガン・アンウィンさん(16)は「若者は75%が独立派。僕らの未来だから、僕らの意見を聞くべきだ」と訴える。

 農漁業が中心のアンガスを地盤とするマイク・ウィアー下院議員は「離脱でEUへの輸出に関税がかかれば大打撃だ。EUからの移民が減れば、農業の現場で深刻な労働力不足にも陥る」と指摘した。

 ただ、世論調査では独立の賛否は拮抗(きっこう)している。アバディーンの女性タクシー運転手ウェブスターさん(52)は「石油産業は衰退する一方で、私たちは生活に精いっぱい。なのにSNPは現実を見ず、自分たちの政治課題を追うばかり」と語気を強めた。

 

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