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【国際】

「正恩氏の列車 爆破計画」 昨年5月、北秘密警察報告

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の父・故金正日総書記が利用していた特別列車=2010年8月、中国黒竜江省で(共同)

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 北朝鮮が三十六年ぶりに朝鮮労働党大会を開催した昨年五月、秘密警察・国家安全保衛部(現・国家保衛省)の地方組織が、北西部・平安南道(ピョンアンナムド)のある都市で実施した一部住民に対する思想教育を目的とする講演で、最高指導者、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の専用列車の爆破計画が党大会前にあり、未遂に終わった、と報告していた。北朝鮮関係者が明らかにした。報告が事実とすれば、北朝鮮内で、政権転覆を謀るほどの体制に対する強い不満が存在していることを示した形だ。 (城内康伸)

 関係者によると、講演は不審な行動や発言をする人物がいれば、保衛部に速やかに通報する重要性を強調するのが主な目的。講演者は「党大会を前後し、やつら(敵)の策動が起こり得る可能性がある。注意喚起のため、(平安南)道内で最近、保衛機関が摘発した事例を紹介する」として爆破未遂事件を報告した。事件の具体的な時期、容疑者の氏名は明らかにされていない。

 報告によると、進学に失敗した男が体制への不満を膨らませ「制度(体制)転覆のためには、首脳部(正恩氏)をまず、除去すべきだ」として計画。正恩氏が参加する行事会場につながる鉄道線路に、爆破物をしかけ、「(最高指導者専用の)一号列車の爆破や転覆を謀った」とされる。

 この男は周辺を往来する炭鉱労働者六人に、爆薬を使って大量の魚をとろうと言ってそそのかし、三人の労働者から爆薬を確保。しかし、残る三人が男の言動を不審に思い、保衛部に申告。さらに、男が平素、正恩氏による権力継承に対して批判的な発言をするのを聞いていた住民も通報した。その結果、男は逮捕され、爆破計画は未遂に終わったという。

 報告ではさらに、金正日(キムジョンイル)総書記の死去(二〇一一年十二月十七日)直後、平安南道在住の刑務所出所者ら男五人が、体制転覆を謀議していた、と明らかにされた。

 五人は死去発表の同月十九日、「時が来た。絶好の機会だ」として、「秘密決死隊」を結成。爆破対象や暗殺対象のリストなどを作成していた。しかしメンバーの一人が約一カ月後、悩んだ末に父親に計画を告白。計画は発覚したとされる。

 

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