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【国際】

大規模サイバー攻撃「成功」引き金 模倣犯 第2の脅威

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 【モスクワ=栗田晃】ランサム(身代金)ウエアと呼ばれるウイルスを使った大規模サイバー攻撃はロシアや欧米、日本など過去最大級の百五十カ国に被害が及んだとされる。サイバー犯罪捜査にも協力する国際情報セキュリティー企業のカスペルスキー(モスクワ)の担当者は「今回の『成功』で別の集団が攻撃を繰り返す恐れがある」と模倣犯の出現を警告する。

 同社のセルゲイ・ロジキン上級アンチウイルス専門員は米マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ」の弱点を突いた今回の攻撃を「弱点は二カ月前から指摘され、マイクロソフトも対応していたが、システム上の理由などで多くのコンピューターは更新されず無防備だった」と振り返る。

 カスペルスキーなどの分析から北朝鮮が運営するとされるハッカー集団「ラザルス」の関与が疑われるが「ウイルスは彼らが過去に使ったプログラムのコードと似ている。しかしそれだけでは特定できない」と説明。「プログラムは相当高度。大手IT企業並みの熟練した技術」と指摘する。

 使われた「ワナクライ」と呼ばれるウイルスは感染したパソコンのデータを暗号化して使用できなくし、復元のため三百〜六百ドル(約三万三千〜六万六千円)相当を仮想通貨ビットコインで要求。ロイター通信によると、企業活動への影響も含め、経済的損失は四十億ドル(約四千四百億円)に上る試算もある。

 ロジキン氏によると、金融機関などのシステムを狙うサイバー攻撃は頻発し、全世界で年間百億ドル(約一兆一千億円)相当の被害が出ている。「一般的にサイバー犯罪集団は多国籍の五人から数十人程度で構成され、マフィアなど非合法組織が資金源としているケースも多い」と話す。

 痕跡を消すプログラムも使われ、摘発は困難だが「相手はロボットではない。人間は間違いを犯す」と明言。具体例として、カスペルスキーがロシア捜査当局と協力して銀行を狙ったグループを五年かけて特定し、昨年に四十人以上が逮捕された事件を挙げる。今回の事件も「各国の捜査機関とサイバー防衛企業の連携ができれば、摘発は不可能ではない」とみる。

 

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