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【国際】

クーデター未遂から1年 トルコ強権化 欧米と溝

14日、トルコ・アンカラ中心部の広場で、展示されている昨年7月のクーデター未遂事件当時の写真=共同

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 【カイロ=奥田哲平】トルコは十五日、軍の一部勢力が政権転覆を狙った昨年七月のクーデター未遂事件から一年を迎えた。自らも命を狙われたエルドアン大統領は事件直後から反体制派を徹底的に弾圧し、今年四月に憲法改正を問う国民投票を経て権力基盤を固めた。ただ、こうした強権姿勢が欧米との関係悪化を招き、外交面に影を落とす。

 クーデターは昨年七月十五日夜に発生したが、一夜で鎮圧された。街頭に出て抵抗するよう求めたエルドアン氏の呼び掛けに国民が応じ、約二百五十人が犠牲になった。

 政府は十五日を「民主主義と国民団結の日」と名付けた祝日にし、各地で追悼行事を開催。ボスポラス大橋(殉教者の橋)でも行事が開かれ、エルドアン氏が参加する予定だ。

 社会の安定のために「強い指導者が必要」と訴えたエルドアン氏が進めたのは祝日の名に逆行した強権政治だった。

 事件に関与した疑いなどで約五万人を逮捕し、約十五万人を解雇・停職処分にした。十四日には新たに公務員七千人以上を解職。反対派の声には一切耳を傾けず、トルコ社会の分断は深刻になっている。

 外交関係はぎくしゃくしたままだ。五月のトランプ米大統領との会談では、クーデター未遂事件の首謀者とみなす在米のイスラム指導者ギュレン師の送還問題や、過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦でのクルド人勢力への対応を巡って意見が対立し、目立った成果はなかった。

 人権状況を懸念する欧州連合(EU)との加盟交渉は、七月に欧州議会が交渉凍結を求める決議を採択。エルドアン氏は英BBC放送の十二日のインタビューで「トルコは独り立ちできる。国民の大多数はEU(加盟)を求めていない」と発言。その一方で、エルドアン氏はロシアに接近、依存度を高めているようだ。

 

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