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【国際】

ミサイル分離 複数弾頭の可能性 北朝鮮関係者「開発は最終段階」

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 【北京=城内康伸、ソウル=上野実輝彦】北朝鮮が二十九日に発射した中距離弾道ミサイル「火星(ファソン)12」が三つに分離したとみられることについて、複数の弾頭を搭載した「マーブ(MIRV)」技術や、弾頭に見せかけたおとりの「デコイ」によりミサイル防衛をかく乱する技術を試験した可能性が指摘されている。

 菅義偉(すがよしひで)官房長官は発射直後の記者会見で「ミサイルが三つに分離した可能性がある」と発表。同日夜になって、防衛省は「確認できない」と修正した。

 外交関係者は「MIRVの可能性はある」との見方を示した。北朝鮮の軍事に詳しい同国関係者は「MIRV開発は最終段階」との情報を明らかにした。

 MIRVとデコイは、弾頭が大気圏外で分離し、迎撃ミサイルをかわしながら目標を攻撃する仕組み。

 MIRVは、複数の弾頭がそれぞれ爆発能力を備えているため、迎撃に失敗すれば被害が大きくなる。迎撃側にとっては、複数のミサイルを備える必要があるなど負担も増大する。

 北朝鮮関係者によると、北朝鮮は二〇〇〇年ごろからMIRV開発に着手。中国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「東風31A」の弾頭に搭載したMIRVを模倣し、ICBMには三個、中距離弾道ミサイルには五個以上の核弾頭の搭載を計画しているという。

 MIRVを導入するには小型核弾頭の開発技術が必要だ。米国のミサイル専門家ジョン・シリング氏は、米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」への寄稿で、北朝鮮がMIRV技術を獲得するには三〇年までかかると指摘している。

 韓国の慶南大極東問題研究所の金東葉(キムドンヨプ)教授は「着弾した弾頭は一つだったとの情報がある」とし、今回のミサイルには、デコイが交じっていた可能性が高いと分析する。

 デコイは本物の弾頭とともにミサイル先端に搭載。分離後に弾頭と似た動きをして迎撃ミサイルを引きつけ、弾頭の防御網をかいくぐることを狙っている。

 

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