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【国際】

核技術 急速に進歩 北「電磁波攻撃も可能」

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 北朝鮮が水爆と主張する核実験は昨年一月以来、二回目。急速に技術の進歩を遂げており、最大で原爆の三千倍以上の威力があるとされる水爆の再実験を経て、最終目標の米本土に到達する核・ミサイルの完成にまた一歩、近づいた。

 史上最大とされる旧ソ連の水爆実験の爆発威力は、広島に投下された原爆の三千倍以上。韓国気象庁は今回の威力が、北朝鮮による過去最大の核実験とされた昨年九月の十キロトン(TNT火薬換算)を大幅に上回る五十キロトン(同)程度と推定する。小野寺五典(いつのり)防衛相は「七十キロトンになると考えられる」と述べた。朝鮮中央通信は「攻撃対象によって、威力を数十キロトン級から数百キロトン級まで任意に調整できる」と誇示した。

 日米韓の分析では、北朝鮮はプルトニウム型、ウラン型を合わせて十数個の核爆弾を保有する。韓国国防省は、さらに八個以上の核爆弾を製造可能な兵器用プルトニウム約五十キロを保有していると推計。また韓国専門家の間では、北朝鮮が既に弾道ミサイルに搭載可能な核弾頭の小型化を達成したとの指摘もある。

 見逃せないのは、朝鮮中央通信が三日、今回の「水爆」について「高い空で爆発させ、広い地域に超強力なEMP(電磁パルス)攻撃さえ加えられる弾頭」と明らかにしたことだ。

 EMP攻撃は、強烈な核爆発で電磁パルスを発生させ、コンピューターなどの情報・通信機器を機能不全に陥れて、都市のインフラ機能やレーダーなどの防衛網を混乱させる。北朝鮮による開発の可能性はこれまでも指摘されていたが、同国メディアが言及したのは今回が初めてだ。

 日米韓は、弾道ミサイルを米本土まで飛ばせる高出力のエンジン開発には成功したと分析。大気圏再突入の技術の確立には「少なくとも一〜二年かかる」(韓国国防省次官)との分析が有力だが、時間的問題にすぎない。 (北京・城内康伸、ソウル・上野実輝彦)

◆電磁波攻撃技術 ロシアから流出か

 朝鮮中央通信が三日、新たに開発したと報じた多機能弾頭によって可能とされる電磁パルス(EMP)攻撃は約二十年前から米国で、北朝鮮による甚大な脅威として警戒されてきた。

 二〇〇四年には、米議会が設置したEMP攻撃に関する委員会に対し、ロシア軍高官二人が、ロシアのEMP兵器の技術が予期せぬ方法で北朝鮮へ流出したと証言。

 翌年の米上院公聴会などで「米社会に破滅的な結末をもたらしかねない数少ない脅威の一つ」として、対策が話し合われていた。

 EMPの脅威については既に、米国が一九四五年に世界で初めて核実験を行った当時から、想定されていたとされる。

 兵器として使用された場合は、高高度での核爆発により大気中に電磁波が発生し、大規模停電などにより広範囲で都市機能が破壊される恐れがある。

 このため米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮専門サイト「38ノース」も今年六月に、北朝鮮によるEMP攻撃の可能性をあらためて警告するリポートを発表している。 (嶋田昭浩)

 

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