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【国際】

併合のクリミア、境界に鉄柵50キロ ロシア建設計画 実効支配進める

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 【モスクワ=栗田晃】ロシア連邦保安局(FSB)は二十七日、ロシアが二〇一四年三月に併合したウクライナ南部クリミア半島とウクライナ本土との境界に長さ五十キロ、高さ二メートルの鉄柵を設ける計画を明らかにした。クリミアでは併合反対派住民に対しロシアによる人権侵害が横行していると伝えられ、ロシアの実効支配が進む。ウクライナ東部紛争に加え、西部の軍弾薬庫で爆発が起きるなどロシア関与が疑われる不穏な動きが続く。

 インタファクス通信などによると、鉄柵は約二億一千万ルーブル(約四億円)のロシア政府予算で年内に設置する計画。FSB担当者は「観光客や地元住民の安全保障はわれわれの優先課題だ」と述べた。

 クリミア併合後の一四年四月に本格化したウクライナ東部での親ロシア派武装勢力と政府軍の紛争は現在も停戦合意が徹底されず、国連によると死者は一万人超。ロシアのプーチン大統領は今月、東部への国連平和維持活動(PKO)部隊派遣を提案したが、ウクライナのポロシェンコ大統領は「紛争を永久に凍結する結果を招く」と否定的だ。

 ウクライナ西部カリニフカでは二十六日夜に軍の弾薬庫が爆発。翌日も燃え続け周辺住民三万人が避難。ウクライナ政府は、ロシアの破壊工作と非難した。

 国連人権高等弁務官事務所は二十五日、クリミアでロシア治安機関の人権侵害が頻発し、ロシアの併合に反対する数百人が拘束され、暴行や拷問を受けたと指摘。マティス米国防長官は八月末にウクライナを訪れてポロシェンコ氏と会談。ウクライナ政府軍への武器供与も検討中とした。

 ロシアは来年の大統領選をクリミア併合の三月十八日に設定する方向。愛国心をあおり、プーチン氏再選へ弾みをつける思惑があるとみられ、ウクライナでの挑発行動が今後も続く可能性がある。

 

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