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【国際】

英国には任期固定法 首相の解散権に縛り

 安倍晋三首相が先月二十八日の臨時国会冒頭で衆院解散に踏み切ったが、議院内閣制で先輩格の英国でも制約なき解散権が問題視され、二〇一一年に首相の解散権を縛る法律ができた。ただメイ首相は今年、この法律を乗り越えて解散・総選挙を決行。解散権を巡る議論は続いている。

 英下院はかつて「五年以内に総選挙を実施」の規定だけで、解散は王権として内閣の助言で実施。実際は「首相の専権事項」扱いだった。それでも総選挙の間隔は平均してほぼ四年。

 ロンドン大キングス・カレッジのアンドリュー・ブリック教授は「英国では(五年たらずで三度という)日本ほどの状況になったことはない」と驚く。

 ユニバーシティー・カレッジ・ロンドン(UCL)政治研究所のキャサリン・ハドン研究員は、一九七四年に労働党政権が二月の総選挙に続いて十月にも解散するなど、英国でも「議席増目当て」があからさまだった例があると指摘する。

 このため保守党と自由民主党の連立政権は一一年、「議会任期固定法」を成立させ、下院任期を五年と定めた。首相は解散の動議は出せるが下院で三分の二以上の賛成が必要となった。

 ハードルが上がった解散だが、今年四月、メイ首相は与党・保守党が最大野党・労働党に支持率で約20ポイントの差をつけたタイミングで突如、解散を動議。労働党のコービン党首も応じ、あっさり解散が実現した。

 「野党も解散を持ち掛けられたら有権者の手前、おじけづくわけにはいかない」と、ブリック教授は現行法の限界を指摘する。ただ、この選挙で保守党が予想外の過半数割れを喫し「法があったから有権者に権限乱用の印象が強まったかもしれない」とみている。当のメイ氏は反省点として「突然の選挙で党組織まで慌てさせてしまった」と語っている。 (ロンドン・阿部伸哉)

 

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