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【国際】

「自由な国を」次々投票 カタルーニャ住民投票 武装警官、住民排除も

1日、スペイン・カタルーニャ自治州のバルセロナ市中心部で、投票所の高校前で投票を求めて座り込む住民らを排除する警官隊=住民提供

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 【バルセロナ=竹田佳彦】「投票箱が届いたぞ」。スペイン北東部カタルーニャ自治州の州都バルセロナ市中心部の高校前で、分離独立を問う住民投票の開始一時間前の一日朝、校門前に集まった住民数百人から歓声が上がった。投票は午前九時(日本時間午後四時)に始まり、独立派の住民らが次々と票を投じた。

 住民投票が違法だとする中央政府は全国から警察官を動員し、投票箱や投票用紙を押収した。投票所の閉鎖も指示したが、独立派の住民は金曜日の夜から投票所となる学校などに泊まり込んで対抗した。独自に投票箱を作り、投票用紙も印刷して確保した。

 「自分の考えを示すのは民主主義の基本。投票箱が届いたのは僕らの勝利さ」。朝五時から高校の校門前へ駆けつけた技師イウさん(30)は高揚感を漂わせた。

 同高には地元の州警察も数人来たが、住民を排除せず遠巻きに見るだけ。午前九時を過ぎると、詰めかけた住民が一人ずつ校舎に入った。投票を終えたジュゼップさん(69)は「無理やり排除するのは、中央政府の警察だけ。自分の意見を言うことが制限されないように、自由で平和な独立国になってほしい」と願った。

 一方、別の高校では投票開始直前に国家警察の部隊約百人が到着。投票所を守ろうと入り口で座り込んで抵抗する住民ら約三百人を強制排除し、投票箱も持ち去った。無理やり引きずられ、警棒で殴打されて負傷した人も。美術教諭のクラウディアさん(27)は「国家の暴力でファシズムそのものだ。中央政府の正体が現れた」と憤り、「だからこそ独立するべきだ」と訴えた。

 しかし、憲法裁判所の違憲判断を無視して強行された住民投票には批判もある。住民の一部は「法律に反する投票は強引で賛同できない」と反発して棄権。三十日夜には投票に反対するデモがカタルーニャ各地であった。墓地管理人のフアンコさん(51)は「カタルーニャの産業が盛んになったのはスペイン各地から人が働きに来たから。独立して彼らが去ったらどうするんだい」と批判した。

 

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