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【国際】

カタルーニャ混迷 自治州が独立「凍結」、賛成派失望

プチデモン州首相の演説を屋外にあるスクリーンで見守る独立派の人々=10日、スペイン・カタルーニャ自治州で(ゲッティ・共同)

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 【バルセロナ=竹田佳彦】スペイン北東部カタルーニャ自治州のプチデモン州首相は十日夜、独立賛成が多数を占めた住民投票を受け、州議会で「独立を宣言する。ただし中央政府と対話するため、効力は数週間凍結するよう議会に求める」と演説。独立を断固阻止する構えの中央政府との対立激化を回避し、国際的な調停などを求めた。

 これに対し、スペインのラホイ首相は「独立を宣言したのかどうか、明確にしてほしい」と州政府に説明を求めた。「独立宣言」ならば対話を拒否し、「憲法に基づき州自治権の停止措置を検討する」と警告。実際に自治権が停止されれば、カタルーニャと中央政府の対立はさらに深まる。

 プチデモン氏は演説で「カタルーニャ共和国の建国に責任を負う」と表明した。一方で「対話と交渉、平和的手段により、手続きを進めていく」と述べた。

 これまでプチデモン氏は「早期に独立宣言する」と明言してきただけに、独立賛成派の住民から失望の声も上がる。「完全な独立宣言が聞けると期待したのに残念だ」。学生チャウィ・デアモさん(22)は戸惑いを見せ、「(住民投票という)民主的な方法で勝ち取った独立。凍結する理由なんてない」と訴えた。一方、団体職員アナ・アルケさん(42)は「独立宣言に変わりはない。凍結なんて一応言っただけよ」と歓迎した。

 住民投票の最終結果は賛成が約90%で投票率43%。州議会で多数派を占める独立賛成派は、速やかな独立宣言を求めている。投票阻止を図った警官隊との衝突で多数の負傷者が出たことを受けて、独立意識が高まった住民も後押しした。

 一方で、国内大手の二銀行やガス、水道など州内に本社を持つ企業から移転の発表が相次ぎ、住民に不安感が広がる。欧州各国も一方的な独立には批判的だ。

 ポンペウ・ファブラ大学(バルセロナ)のフェラン・レケホ教授(政治学)は取材に「現在の状況を踏まえ、よく考えられた内容だった」と演説を評価。「中央政府は仲介に応じないだろう。欧州連合(EU)を巻き込むしかない」と指摘した。

 

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