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【国際】

IS、ラッカ撤退開始 部族有力者が証言

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 【カイロ=奥田哲平】過激派組織「イスラム国」(IS)が「首都」と称するシリア北部ラッカから、IS戦闘員が撤退を始めたことが分かった。地元部族の有力者らでつくる市民評議会のメンバーが、本紙に明らかにした。一部でISの抵抗が続くが、ラッカ解放が目前に迫ってきた。

 ラッカはISが二〇一四年から占拠。クルド人勢力が主体の民兵組織「シリア民主軍」(SDF)が昨年十一月に奪還作戦を始め、六月から本格的な市街戦に入った。米軍主導の有志国連合が空爆で支援する。

 SDFはこれまでにラッカ市内の九割を制圧。ISは市中心部で戦闘員三百〜四百人が抵抗を続け、住民約四千人が取り残されている。

 市民評議会は、SDFの最終攻撃の前に、「人間の盾」にされる住民の安全を確保するため、水面下でIS側と交渉していた。

 評議会メンバーのハムミ氏は電話取材に「最優先すべきは住民の命を守ること。IS戦闘員を市外へ移動させる合意に達し、有志国連合も受け入れた」と述べた。

 シリア人権監視団(ロンドン)によると、数十台のバスが十三日夜からラッカ市内に入り、撤退が始まった。バスの行き先は分かっていない。

 一方、SDFのバリ報道官は本紙に「戦闘は続いている。あと数時間なのか数日なのか、終結を判断する時期ではない」と慎重な見通しを示した。ロイター通信によると、有志国連合のディロン報道官はIS戦闘員百人が投降したと認めた上で「まだ数日間は難しい戦いがある」と述べた。

 IS幹部らはラッカ南東百二十キロの要衝デリゾールへ移動したとされるが、SDFとシリア政権軍が九月上旬から別々に進軍し、陥落は時間の問題。デリゾールが落ちれば、「国家」を目指したISの支配領域がほぼ消滅する。

 

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