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【国際】

トランプ氏、核合意破棄警告 イラン反発「米は孤立」

 【ワシントン=後藤孝好、カイロ=奥田哲平】トランプ米大統領は十三日、ホワイトハウスで演説し、イランが米欧など六カ国と二〇一五年に結んだ核合意について「数年後には重要な規制がなくなり、急速に核開発を進められる」として容認しない考えを表明、合意破棄の可能性に言及した。解除していた経済制裁を再発動するかどうかは、米議会に判断を委ねた。これに対し、イランのロウハニ大統領は「イラン国民への侮辱だ」と猛反発した。

 トランプ氏はホワイトハウスでの演説で、イランを「世界有数のテロ支援国家だ」と非難。核開発に関して「イランは軍事施設への査察を拒否している」と指摘した。しかし、イランは核施設の査察を受けていると主張。国際原子力機関(IAEA)や、先月下旬に国連総会に合わせて開かれた外相会合も、イランが核合意を順守していると確認しており、トランプ氏の発言と矛盾している。

 演説でトランプ氏は、核合意によってはイランの弾道ミサイル開発やテロ組織支援が引き起こす周辺地域への脅威を阻止できないとして、米議会に対し、弾道ミサイル開発などを制裁再発動の条件に盛り込むよう米国内法改正を求めた。

 イラン核合意は、「核兵器なき世界」を訴えてノーベル平和賞を受けたオバマ前米大統領のレガシー(政治的遺産)の一つだが、米国内では与党共和党などを中心に、イランへの反感から核合意への反対論も根強い。トランプ氏は昨年の大統領選以来、「最悪で一方的な取引だ」と見直しを主張していた。

 一方、ロウハニ師は、多国間による国際合意だとして、合意を「国家利益になる限り尊重する」との考えを強調。「(国際合意を取り消そうとする)米国は、かつてなく孤立している」と批判した。

 核合意を受けて解除した制裁を米国内法に基づいて再発動した場合、イランが反発し、核開発を再開する口実を与えかねない。対抗して米政権も、核の脅威への対抗を大義名分に軍事行動を含めた強硬手段を検討することが予想される。

 米議会は対応を六十日以内に決めるが、国際情勢への影響を懸念して再発動を当面見送る可能性が高い。政府内でもマティス国防長官が「イランは基本的に合意を履行している」と現状維持を求めている。

 

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