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【国際】

中台覆う「冷たい平和」 習氏「独立の分裂活動打ち破る」

 【北京=浅井正智、台北=迫田勝敏】北京で開会中の中国共産党大会の政治報告で、習近平(しゅうきんぺい)総書記(国家主席)が「台湾独立は許さない」と強い姿勢を打ち出したことに、台湾で警戒が広がっている。台湾総統府は政治報告と同じ日に「対抗という古い道には戻らないが、圧力にも屈しない」との声明を発表。昨年五月に民進党の蔡英文(さいえいぶん)総統が就任して以降、中国政府は台湾への締め付けを強めており、台湾メディアは「冷和(冷たい平和)」が続くとの見方を伝えている。

 党大会が開幕した今月十八日、習氏は政治報告で、「台湾独立のいかなる分裂活動も打ち破る意志と自信と能力がある」と力説。三時間二十分に及ぶ演説の中で、会場から最も大きな拍手が起こった。

 先月、台湾の頼清徳(らいせいとく)行政院長(首相)が「台湾はすでに独立国家だ。あらためて独立を宣言する必要はない」と述べたことが念頭にあった可能性がある。

 他方で習氏は「台湾の社会制度と生活様式を尊重」し、台湾人が中国で就学・就労する際「(中国人と)同等の待遇を逐次提供」するという融和策も用意。硬軟取り混ぜ、台湾の取り込みを進めていく構えだ。

 蔡氏は就任以来、「一つの中国」原則に基づく「一九九二年合意」を認めず、中台関係の「現状維持」を繰り返してきた。対する中国は、台湾と国交のあったパナマなどと国交を結ぶ一方、台湾への中国人観光客を激減させるなど、外交、経済のあらゆる手段を使って締め付けてきた。

 台湾・南華大学の孫国祥(そんこくしょう)副教授は「今後、中国は台湾が国際社会で活動できる余地を最低限しか残さず、台湾当局は受け身の状態に陥るだろう」と指摘する。

 

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