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【国際】

イラクとクルドに「友あり」 米国務長官 板挟みの心境

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 【カイロ=奥田哲平】ティラーソン米国務長官は二十三日、イラクの首都バグダッドを初めて訪問し、アバディ首相と会談した。分離独立を問うクルド自治政府の先月の住民投票を機にイラク中央政府が軍事行動に踏み切り、双方の対立が深まるなか、ティラーソン氏は「すべての違いに立ち向かうよう求める」と対話による事態打開を促した。

 過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦で、米国は自治政府の治安部隊ペシュメルガとイラク軍の双方を軍事訓練などで支援。ISという共通の敵を設定し、両者の連携に苦心した。ティラーソン氏は「米国は両方に友人を持つ。心を痛めている」と述べ、板挟みの心境を漏らした。

 中央政府は十六日に係争地の油田地帯キルクークに進攻し、自治政府が実効支配していた地域をほぼ掌握。ロイター通信によると、二十四日もトルコにつながる原油パイプラインがある北西部ラビアで、イラク軍と連携するイスラム教シーア派民兵とペシュメルガが交戦。イラク軍は否定したが、いまだに衝突の恐れは消えていない。

 クルド系メディア「ルダウ」(電子版)は二十四日、「ペシュメルガの犠牲にもかかわらず、イラク軍が領土を奪い取っている。米国は早く行動する必要がある」と論評。IS掃討への貢献を誇るだけに、米国の不介入方針に失望感は高まっている。中心都市アルビルの米国領事館前では抗議活動が行われている。

 一方、ティラーソン氏は二十二日、IS掃討作戦を通じてイランの影響力が強まった地域情勢を念頭に「イラクにいるイランの民兵組織は家に戻るべきだ」とけん制。アバディ氏が「国家機構の一部だ。国内問題に介入する権利はない」と反発する事態になった。米国は、イラク国内の民族融和とイラン台頭という二正面で対応を迫られている。

 

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