東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

米兵殺害、軍が調査へ ニジェールの事件 リスク判断問題か

21日、米フロリダ州で、ラデービッド・ジョンソン氏の葬儀で、ひつぎにキスする妻マイーシャさん(SouthFloridaSun−Sentinel提供=AP・共同)

写真

 【ワシントン=後藤孝好】西アフリカのニジェールで米兵らが殺害された事件を巡り、米軍制服組トップのダンフォード統合参謀本部議長は二十三日、事実関係の調査を進める方針を示した。米議会が米軍の派遣実態を把握していなかった事実も判明。中東からアフリカへ拡大したテロとの戦いが泥沼化する懸念が高まりそうだ。

 ダンフォード氏は記者会見で「(現地での)任務に関し臆測が飛び交っている。調査で解明されることを望んでいる」と述べた。

 事件は今月四日、ニジェール南西部のマリとの国境近くで発生。米特殊部隊十二人と地元の治安部隊三十人が合同パトロール中、過激派組織「イスラム国」(IS)とつながりがあるとみられる武装勢力約五十人による待ち伏せ攻撃を受け、ラデービッド・ジョンソン氏ら米兵四人やニジェール兵五人が死亡した。

 現地ではイスラム過激派の襲撃が繰り返され、治安は悪化していたが、米軍はリスクが低い任務と判断。厳重な警戒態勢を取らず、攻撃可能なヘリや戦闘機の支援を受けていなかった。そのうえ支援を求めたのは襲撃から一時間後だった。現場でのリスク判断の過程や支援要請が遅れた理由などが調査の焦点となる。

 米国防総省は、ニジェールに八百人の米兵がテロ対策の後方支援で駐留していると明らかにしたが、共和党のグラム上院議員や民主党上院トップのシューマー院内総務ら与野党議員は「多くの米兵の存在は知らなかった」と指摘。共和党重鎮のマケイン上院軍事委員長は議会として独自調査に乗り出す考えだ。

 事件を受け、マティス米国防長官は米軍がアフリカでの対ISテロ作戦を強化する方針を表明した。シリア北部ラッカ、イラク北部モスルという中東での二大拠点を制圧後も、アフリカではIS関連のイスラム過激派が伸長していることが背景にあるが、終わりの見えない対テロ戦に慎重論が巻き起こる可能性もある。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報