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【国際】

習氏長期支配 礎築く 派閥バランスも考慮

25日、北京の人民大会堂で、壇上に並ぶ中国共産党の新指導部。(左から)韓正氏、王滬寧氏、栗戦書氏、あいさつに向かう習近平総書記、李克強首相、汪洋氏、趙楽際氏=共同

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 【北京=浅井正智】北京での二十五日の中国共産党第十九期中央委員会第一回全体会議(一中全会)で、習近平(しゅうきんぺい)体制の二期目がスタートした。政治局は習氏に近い人物が数多く占め、長期支配の礎を築いた形だ。胡春華(こしゅんか)・広東省党委書記(54)と陳敏爾(ちんびんじ)・重慶市党委書記(57)という次世代のリーダー候補は、最高指導部である政治局常務委員に選出されず、後継者決定は先送りされた。ただ、最高指導部は側近で脇を固めつつ、派閥バランスにも配慮している。

 注目されたのは、中央委員候補から二階級特進で政治局入りした丁薛祥(ていせつしょう)・党中央書記局書記(55)。陳、胡両氏の中間の年齢で、次のリーダーはこの三人による三つどもえの争いになる可能性がある。

 新たに最高指導部入りした五人のうち、明確な習派は栗戦書(りつせんしょ)・党中央弁公庁主任(67)と趙楽際(ちょうらくさい)・党中央規律検査委員会書記(60)の二人だ。

 栗氏は、「習氏の行くところ栗氏あり」と言われるほど、地方視察や外遊に常に同行する側近中の側近。習氏とは一九八〇年代に河北省で県のトップ同士となり親交を深めた。趙氏は習氏と同じ陝西省に本籍を持つ。二〇〇七年に陝西省党委書記となり、ここでの働きが習氏に評価された。

 七人のうち五人が入れ替わり、二期目の最高指導部の平均年齢は六二・八歳。五年前の一期目のスタート時の六三・四歳よりわずかに若返ったが、五年前には二人いた五十代が今回一人もいなかった。

 党大会に向け、政敵を排除し、側近の登用を進めてきた習氏だが、最高指導部の顔ぶれを見ると、「派閥のバランスへの配慮」(北京の大学教授)もうかがえる。胡錦濤(こきんとう)前国家主席らを輩出した共産主義青年団(共青団)派とみられる汪洋(おうよう)副首相(62)や、江沢民(こうたくみん)元国家主席派と目される韓正(かんせい)・上海市党委書記(63)がそうだ。

 汪氏は改革派として知られ、最近は貿易赤字削減を唱えるトランプ米政権との交渉を担い、習氏の信頼を得た。韓氏は共青団に属したこともあるが、江氏の「上海閥」の中で順調にキャリアを積んできた。

 王滬寧(おうこねい)・党中央書記局常務書記(62)は、江沢民、胡錦濤、習近平三代にわたってスピーチライターを務めてきた中間派。もともと学者で「自分は政治家ではない」と最高指導部入りに消極的だったともいわれる。

 バランスを取った最高指導部とは対照的に、政治局(二十五人)には習氏に近い人物が大量に送り込まれた。陳敏爾氏や丁薛祥氏のほか、蔡奇(さいき)・北京市党委書記(61)や黄坤明(こうこんめい)・党中央書記局書記(60)、陳希(ちんき)・党中央書記局書記(64)ら習派を登用。政治局全体の半分以上を占めた。

 蔡氏は一般党員から三階級特進。黄氏は福建省と浙江省で習氏の部下として働いた。陳氏は清華大学の学生時代、寄宿舎で習氏と相部屋だったという関係だ。習氏が政治局を自派で押さえ、五年後の党大会で最高指導部人事を有利に進める下地が整ったと言える。

 

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