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【国際】

<習新時代の行方>(中)異例の後継者未定 「終身指導者」も視野

 「習近平(しゅうきんぺい)同志を核心とする共産党中央の周囲に団結し、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を深く学習せよ」

 重慶市党委員会の幹部会議が二十六日開かれ、同市トップの陳敏爾(ちんびんじ)市党委書記(57)がこう指示を出した。

 広東省トップの胡春華(こしゅんか)省党委書記(54)とともに「第六世代」のリーダー候補と言われ、共産党大会で政治局常務委員(最高指導部)への昇格が有力視されながら、ともに「落選」の憂き目を見た。それからわずか一日。陳氏は、五年後を見据え、早速巻き返しに出た格好だ。

 総書記は二期十年が慣例。それに先立ち、最低五年は最高指導部で経験を積むことが求められる。「六十八歳定年制」があるため総書記を二期務めるには、遅くとも五十七歳までに最高指導部入りする必要がある。今回最年少の常務委員は六十歳の趙楽際(ちょうらくさい)氏で、総書記就任の見通しはない。

 胡錦濤(こきんとう)前総書記は、江沢民(こうたくみん)時代の一九九二年に最高指導部入りし、十年後に総書記に就いた。習氏も二〇〇七年に常務委員となり、一二年に総書記に就任しており、後継者を決めなかった今回の党大会が異例であることが分かる。

 習氏ら「第五世代」に次ぐ「第六世代」の出世争いは、今後五年間、陳氏と胡氏をはじめとする政治局員に実力を競わせるとの見方も広がる。

 習氏の信頼を勝ち得るための権力闘争が激烈になることが予想される一方、習氏が次期党大会で退かずに「三期目」を務めたり、最高実力者として「院政」を敷くとの指摘も出始めた。

 総書記退任とともに完全引退した胡錦濤氏とは違い、「どのような形であれ、五年後も習氏の影響力は残る」(中国人研究者)のはほぼ間違いない。

 二期目の習指導部は、小康社会(ややゆとりのある社会)の全面的な実現に全力を注ぐ。全国に豊かさを行き渡らせることができれば、続投を望む声が国民からわき起こる可能性もある。その先には「終身指導者」も視野に入る。

 ただ、一九八二年に廃止された党主席の復活は「毛沢東(もうたくとう)個人のためにつくられたポストであり、復活しようとすれば党内の抵抗が強まる」(北京の大学教授)。強引な手法で長期政権を狙えば、手痛いしっぺ返しもあり得るだろう。 (北京・浅井正智)

 

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