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【国際】

記憶遺産 慰安婦資料の登録延期へ 諮問委「政治的案件」

 【パリ=竹田佳彦】国連教育科学文化機関(ユネスコ)が歴史的文書を対象とする「世界の記憶」(世界記憶遺産)について、中国や韓国の民間団体が申請した慰安婦関連資料の登録が「政治的案件」として延期される見込みになったことが二十六日分かった。審査に当たる国際諮問委員会関係者が明らかにした。諮問委の勧告を受けたユネスコ事務局長が最終判断する。

 慰安婦関連資料の登録には日本政府が「ユネスコの政治利用」として強く反発していた。

 諮問委は二十四〜二十七日に開催。申請された候補百二十七件のうち慰安婦関連資料や、イスラエルが反発しているパレスチナ紛争のポスター集など数件が「政治的案件」とされる。

 関係者によると、委員からは「議論が分かれる案件は当事者間の対話や意見聴取が必要」との意見が出た。審査は非公開で関係国は意見を述べる機会がない。

 登録延期の見込みが判明した慰安婦関連資料は、元慰安婦の証言記録や写真など。日中韓を含む八カ国・地域の民間団体で組織する「国際連帯委員会」が中心となって申請した。韓国では第二次世界大戦中に女性が日本軍の慰安所で性的被害を受けたとして日本政府の責任を問う声が根強い。

 一方、日本政府は一九六五年の日韓請求権協定に基づき解決済みとの立場。二〇一五年の日韓合意でも「最終的、不可逆的に解決される」とした。しかし今年誕生した韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は合意の経緯をあらためて検証している。

 記憶遺産を巡る対立では一五年、中国が申請した「南京大虐殺の記録」が登録され、日本政府は史料の真正性に疑問があると抗議。ユネスコの分担金拠出を一時留保した。

 ユネスコは今年、申請内容を事前公表し、関係国の反対意見も聴取し判断材料にする審査の改善方針を議論。一九年の次回審査から取り入れる。ユネスコではパレスチナが申請した世界遺産登録を巡る政治的対立から米国とイスラエルが十月中旬に脱退表明した。

 

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