東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 国際 > 紙面から > 10月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【国際】

「帝国の慰安婦」 逆転有罪 著者「先入観で判決」

 【ソウル=上野実輝彦】研究書「帝国の慰安婦」の記述が元慰安婦への名誉毀損(きそん)罪に当たるとして在宅起訴された朴裕河(パクユハ)・世宗(セジョン)大教授(60)の控訴審判決で、ソウル高裁は二十七日、一審無罪判決を破棄して罰金一千万ウォン(約百万円)を言い渡した。慰安婦問題の日韓合意検証を進める文在寅(ムンジェイン)政権下で有罪判決が出たことで、世論が硬直し日韓関係に影響する可能性もある。

 朴氏は同日、記者団に「不当で、先入観だけで出した判決だ」と述べ、上告する意向を示した。

 一審は、検察が問題とした三十五カ所の記述のうち三十カ所を単なる「意見の表明」と認め、残りの記述は事実を提示しているものの、名誉毀損には当たらないと判断した。

 しかし控訴審では、一審で意見表明とされた「慰安婦は根本的には売春という枠組みの中にいた女性たち」などを含む十一カ所の記述が「虚偽の事実」と認定。「多くの慰安婦に強制動員はなかったと、読者が受け止め得る」と指摘した。

 その上で、朴氏はこれらの記述が虚偽であり、元慰安婦の社会的地位を低下させると認識しながら研究書を執筆しており、名誉毀損が成立すると結論づけた。一審では執筆の動機に「日韓の和解」を認めたが、控訴審は認めなかった。

 朴氏を告発した女性を含む元慰安婦が集団生活するソウル郊外「ナヌムの家」は同日、朴氏に対し「慰安婦問題の本質と日本軍の蛮行について深く考えてほしい」との声明を発表した。

 文政権は慰安婦問題の最終解決を決めた日韓合意の過程を検証中で、年内に結論を公表する方針だ。今回の判決を受け、慰安婦問題に批判的な世論が勢いづく可能性もある。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報