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【国際】

ロヒンギャ迫害いまも 難民キャンプルポ

1日、コックスバザール南方で、小屋の中でうつろな表情を見せる少年ら=北川成史撮影

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 【コックスバザール(バングラデシュ南東部)=北川成史】ミャンマーで迫害されたイスラム教徒少数民族ロヒンギャが集まるバングラデシュ国境の難民キャンプに入った。難民の大量流出が始まり二カ月余り。先の見えない状況に、難民の悲痛な叫びが聞こえてくる。

 雨がたたきつけ、肌寒い。一日午前六時半すぎ、コックスバザールから南に約六十キロ。海岸を走る道路脇の小屋に、六十三人の男女が肩を寄せ合っていた。

 ロヒンギャ難民だ。前夜、闇に紛れてミャンマーからボートに乗り、荒れるベンガル湾を六時間以上かけて岸にたどり着いた。

 二十八人が十八歳未満で、八カ月の赤ちゃんもいる。八十七歳の女性もいた。

 「おなかがすいた。頭も痛い」。きょうだい四人で逃げてきたジョハ君(14)の周りに両親の姿はない。

 「(ミャンマー治安部隊の)兵士が村を襲い、妹の目の前で父さんを撃ち殺した。燃やされた家に、病気で走れない母さんを残し、逃げるしかなかった」。ジョハ君は目を伏せた。

 八月二十五日にミャンマー西部ラカイン州でロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突後、治安部隊の掃討作戦の影響でバングラデシュに逃れた難民は、国際移住機関(IOM)の推計で六十万人を超えた。

 ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相は演説で「九月五日以降、掃討作戦は行われていない」と語ったが、ジョハ君らの証言は、迫害が続いている実態を物語る。

 「私の村ではこれまで三十七人が兵士に連行された。うち九人は女性でレイプされた」。妻と二人の子どもを連れて逃げてきたムハンマド・ロフィックさん(25)は、バングラデシュからの不法移民という扱いで、ミャンマー政府がロヒンギャに市民権を与えない現状に憤る。「他のミャンマー人と同じ権利を持って生きたい。それが私の願いだ」

<ロヒンギャ> ミャンマー西部ラカイン州を中心に暮らすイスラム教徒の少数民族で人口約100万。州人口の3分の1に当たると推計される。ミャンマーには135の民族がいるが、約9割が仏教徒。政府はロヒンギャを自国民と認めず、バングラデシュからの「不法移民」とみなし、1970年代以降、軍事政権が弾圧してきたとされる。

 

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