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【国際】

ロヒンギャ難民 治療に壁 銃撃受け避難、バングラの病院

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 ミャンマーで迫害され、バングラデシュに逃れたイスラム教徒の少数民族ロヒンギャの中には、銃で撃たれて入院治療が必要な人も多い。だが、避難先の病院の設備や衛生環境は貧弱で、十分な治療を受けるのは難しい。(バングラデシュ南東部コックスバザールで、北川成史、写真も)

 コックスバザール中心部にある国立の総合病院=写真。ドアが開けっ放しの一階の診察室で、ショーコットさん(28)は痛みに顔をしかめながら、血染めのガーゼの交換を受けていた。

 二カ月ほど前、ミャンマー治安部隊に家を焼かれ、両膝を撃たれた。兄弟に担がれて命からがら逃げてきたという。ショーコットさんは「私のような被害者は数え切れない」と明かす。

 病院の五階には、ロヒンギャの外科患者用の臨時病室が設けられた。三十二床のベッドは患者であふれ、ビニールシートで寝ている人もいる。

 銃撃された右手の傷が生々しいアッブロマンさん(27)は「故郷に帰りたいけど今戻ったら間違いなく殺される」と顔を曇らせた。

 この病院は難民を支援する国際機関の救急施設を兼ねている。しかし、建物は古く、設備は貧弱だ。通路にはティッシュやバナナの皮が散乱。空調設備はなく、すえた臭いが漂う。看護師のオミータ・デボナスさん(30)は「患者数が病院の収容能力を超えている」と疲れ切った表情だ。

 国際移住機関(IOM)によると、ミャンマー西部ラカイン州で八月二十五日、ロヒンギャ武装勢力と治安部隊が衝突した後、バングラデシュに逃れた難民は六十万人を超えた。衝突前の難民を含め約八十二万人が難民キャンプなどで暮らす。IOMなどは既存病院の設備強化と増設を強く求めている。

 

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