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【国際】

指導者の行方依然不明 シリア軍IS最後の町制圧

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 【カイロ=奥田哲平】ロイター通信によると、シリアのアサド政権軍は九日、イラク国境近くにある過激派組織「イスラム国」(IS)が占拠する最後の町アブカマルを制圧したと発表した。これで二〇一四年から続いたイラクとシリアにまたがるISの領域支配はほぼ一掃されたが、IS指導者バグダディ容疑者の行方は分かっていない。

 ISは先月、「首都」と称した北部ラッカで敗北。今月三日にシリア東部の要衝デリゾール市も失い、戦闘員が国境沿いのアブカマルに退去して抵抗を続けた。ただ、シリア人権監視団(ロンドン)は戦闘が継続中と指摘している。イラク側でも三日、イラク軍がシリア国境沿いの町カイムを奪還。一部の残党は周辺の村や砂漠地帯に潜伏しているとみられるものの、両国の拠点は消滅した。

 一部の地元メディアは、カイム陥落の際、バグダディ容疑者が一般の黄色いタクシーを利用してシリア側に逃れたと伝えた。真偽は不明だ。同容疑者は一四年七月以来、公の場に現れていない。ロシア国防省は今年六月、五月下旬のラッカ空爆で死亡した可能性が高いと発表。米軍が国境地帯で生存しているとの見方を示した九月に、徹底抗戦を呼び掛ける音声がインターネット上に公開された。

 巧みな映像とネットを駆使して世界中から戦闘員を勧誘し、支持を広げたISの広報戦略には陰りが見える。系列メディアが戦闘場面を伝える投稿は確実に減少している。ただ、ISの過激思想はすでに拡散しており、テロの脅威はなくならない。

 一方、IS掃討作戦は終結間近とはいえ、シリア内戦は続きそうだ。アサド大統領は七日、「国家を分断し、弱体化させる組織と戦い続ける」と述べた。シリア国土の四分の一を実効支配し、自治区化を目指すクルド人勢力を意識した発言だ。国際テロ組織アルカイダ系のグループが勢力下に置く北西部イドリブ県にも兵力を向けるとみられる。

 

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