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【国際】

米大統領「インド太平洋戦略」表明 中国批判控える

 【ダナン=後藤孝好】トランプ米大統領は十日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)関連会合で「自由で開かれたインド太平洋戦略」を発表した。六日の日米首脳会談で安倍晋三首相と共有した戦略には、民主主義や法の支配を地域に広げて、台頭する中国に対抗する狙いが込められている。だがトランプ氏の演説は、自国第一を訴えるとともに米国との二国間の関係強化に重点が置かれ、中国を強くけん制した内容とはいえなかった。

 「私は常に米国第一だ。この部屋にいる多くの皆さんも自国第一でしょう」。トランプ氏がこう呼び掛けると、会場からは拍手が湧いた。

 それぞれの国が自国の利益を最優先にしても「相互尊重と相互利益が土台」(トランプ氏)であれば、ウィンウィンの関係を築くことができる−。しかも「自由で開かれた」地域は、APECのような多国間の枠組みではなく、米国を中心とする二国間の通商協定を通じてのみ実現できる、との姿勢を鮮明にした。

 「自由で開かれたインド太平洋戦略」は、安倍晋三首相が昨年八月にアフリカ開発会議(TICAD)で提唱。アフリカ諸国への影響力を強める中国の現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」や、南シナ海での強引な権益拡大に対抗する狙いがある。

 だが、トランプ氏は演説で「中国の習近平国家主席と素晴らしい時間を過ごした。真に公正で平等な貿易関係を達成するために、中国と協力したいと伝えた」と指摘。前日に引き続き、中国との貿易不均衡について「中国を責めない」と言い切った。

 地域が守るべき原則として「航行・飛行の自由」や「法の支配」を挙げたが、東シナ海や南シナ海への海洋進出を強める中国を名指しして批判することもなかった。ホワイトハウス高官は「戦略は中国封じ込めを意図したものではない」とさえ語る。トランプ氏は「われわれは長年、自由で開かれたインド太平洋地域の友人、パートナーだったし、これからもそうだ」と強調。今後も地域への積極的な関与を訴えたが、戦略の理念は明確に示されず、自国の利益を最優先する姿勢を際立たせる結果に終わった。

 

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