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【国際】

世論操作指示疑い 韓国元国防相を逮捕 李元大統領の関与焦点

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 【ソウル=上野実輝彦】ソウル中央地検は十一日、李明博(イミョンバク)政権(二〇〇八〜一三年)で国防相を務めた金寛鎮(キムグァンジン)容疑者(68)を軍刑法違反(政治活動関与)などの疑いで逮捕した。世論操作のためネット上に政治的な書き込みをするよう軍サイバー司令部に指示していたとされる。李元大統領の関与があったかどうかも大きな焦点だ。

 金容疑者は一〇〜一二年、当時の野党を批判し、与党を支持する書き込みをするよう指示した疑いがある。KBSテレビによると、元大統領から指示を受けたと説明する一方、「政治活動ではなく、対北朝鮮のサイバー戦の一環だった」とも話しているという。

 金容疑者は、サイバー司令部の増員に当たり、革新勢力の地盤とされる全羅道(チョルラド)出身者らを排除しようとした職権乱用の容疑もかけられている。金容疑者は陸軍出身で、朴槿恵(パククネ)政権でも国防相などを務めた保守政権の実力者。

 金容疑者を捜査するソウル中央地検のチームはこれまで、文在寅(ムンジェイン)政権が設立した、保守政権時代の不正をただす「積弊(チョクペ)清算の作業部会」の告発を受け、韓国の情報機関・国家情報院の捜査も進めてきた。

 国情院には▽ネット上の書き込みで世論操作▽政府に批判的な文化人の「ブラックリスト」を作成▽革新政党に所属する朴元淳(パクウォンスン)ソウル市長を政治的に攻撃する文書を作成−などの疑惑が持たれており、いずれも李元大統領の関与があったかが焦点になっている。

 地検は、李政権下で国情院長だった元世勲(ウォンセフン)被告(66)=別件の国家情報院法違反などで有罪判決、上告中=らを捜査し、既に元局長や室長らを同法違反(政治活動関与)容疑で逮捕。一方、関連捜査を受けた国情院所属の弁護士ら二人が自殺する事態も起きている。

 韓国では保守と革新の政権が入れ替わるたびに前政権トップの摘発が繰り返され、「政治捜査」との批判が根強くある。保守系の最大野党「自由韓国党」幹部は九日、「一部の『政治検察』による政治的報復の捜査だ」と批判していた。

 

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